アストンマーティン シグネット×トヨタ iQ
意外性があり、インパクトの強かったクルマといえば、英国の超高級スポーツカーブランド「アストンマーティン」と日本の「トヨタ」との組み合わせで生まれたこの2台ではないだろうか。
「シグネット」は、全長3mにも満たないマイクロカー「トヨタ iQ」をベースに、アストンマーティンが徹底的なカスタマイズを施し、2011年から販売がスタート。
2007年、ニュルブルクリンク24時間レースに出場したモリゾウこと豊田章男氏が、当時のアストンマーティンCEOであったウルリッヒ・ベッツと同じピットになったことから実現したといわれるこのコラボの背景には、欧州におけるメーカー平均CO2排出量規制への対応というウラ事情があったものの、完成した車両は単なる数合わせの域をはるかに超えていた。
iQが持つ大人3人と子ども1人が乗車できる高効率なレイアウトはそのままに、シグネットの外装にはアストンマーティンの象徴である凸型のフロントグリルや、ボンネットのエアインテーク、専用の灯火類が与えられた。
さらにプラスチック主体だったiQの内装は完全に剥ぎ取られ、職人の手による最高級のレザーがダッシュボードからシート、ドアトリムに至るまで隙間なく張り巡らされている。
その仕上がりは、数千万円クラスのDB9やヴァンテージなどと同等のクオリティであり、小さなボディに英国のクラフツマンシップが凝縮されていた。
エンジンやトランスミッションといった基本機構はiQと共通のため、走行性能自体に大きな違いはないものの、遮音材の追加による静粛性の向上や、専用チューニングされたサスペンションにより、重厚感のある乗り味を実現。
庶民の足であるマイクロカーが、王室御用達ブランドの手によってオートクチュールへと変貌を遂げた。
ランボルギーニ・ウルス×アウディ RS Q8×ポルシェ・カイエン
現在のSUV市場における「スーパーSUV」というカテゴリーを牽引する3台が「ランボルギーニ・ウルス」「アウディ RS Q8」、そして「ポルシェ・カイエン」だ。
これらのモデルはすべて、フォルクスワーゲングループの「MLB Evo」プラットフォームを共有する、極めて近い血縁関係にある。
巨大な企業グループならではの強みを活かし、基本骨格だけでなく、4.0リッター V8ツインターボエンジンや8速AT、4輪操舵システムといった主要コンポーネントの多くが共通化されているものの、それぞれに異なる味付けがされ、まったく異なるキャラクターへと仕上げられている。
ポルシェ・カイエンは、このクラスのパイオニアとして、スポーツカーとSUVの融合を最も高い次元でバランスさせているのが特徴。精密なハンドリングと日常の使い勝手が同居し、あくまで「ポルシェ」らしい造りだ。
いっぽう、ランボルギーニ・ウルスは、ひと目で「ランボルギーニ」とわかる強烈な個性が魅力。エッジの効いた攻撃的なスタイリングや、魂を揺さぶるような猛々しいエキゾーストノートは、まさにスーパーカーのそれ。
サーキット走行すら可能なパフォーマンスに加え、砂地や雪道もこなすオフロードモードまで完備する走りを、SUVというスタイルに落とし込むことで、家族や友人と共有できる最高の一台といってもいいだろう。
そしてアウディ RS Q8は、これらの3台のなかで最もSUVらしい、都会的なクーペスタイルが特徴。
2024年には上位モデルである「RS Q8 performance」が独・ニュルブルクリンクで7分36秒698というSUV最速記録を叩き出すなど走りも申し分なく、洗練されたスタイルと、日常での速さを堪能できるバランスの良さがその魅力だ。
グループ内の技術を結集して作られたこの三兄弟。基本設計を共有しながらも、それぞれのブランドが持つ歴史や哲学といった血統が、唯一無二の個性を与えている。
【画像ギャラリー】実は“血縁関係”を持つ名車たち(10枚)画像ギャラリー











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