スカイラインはファンに寄り添う必要はない?
新型スカイラインに話を移そう。スカイラインは新型になっていったいどこに向かうべきなのか? 現状のティザー画像を見ている限り非常にコアなファンに寄り添ったデザインになっている。ファンとしては大歓迎だし、近年のデザインテイストから外れ、変化に富んだものでワクワクする姿になっている。
このデザインの決定もなかなか大変だったという話も聞くが、今回発表された「クラシカル案」と別にもうひとつ「V型スカイラインの系譜を継ぐデザイン案」も複数あったはずだ。そのなかでこのクラシカルデザインが採択されたのにはイヴァン・エスピノーサCEOの思い入れも大いにあったであろう。
ただ日産が改めて認識してほしいのはこのクルマはスカイラインであって、決してインフィニティQ50の日本版ではないということだ。
日本人が思うスカイラインらしさは確固たる根強いイメージがあり、そこから離脱することは容易なことではない。しかしメーカーが意欲を抑えて、世間に迎合するのもまた違う。次世代スカイラインが控える今こそ、市場とメーカーのギャップを乗り越えた歴史を思い出してほしい。
それは2007年にGT-RがR35になり「スカイライン」から離れた時だ。これまでのスカイラインGT-Rを愛するユーザーとメーカー間のブランド理解に乖離が起きた。
「V6はGT-Rじゃない」「車重が重すぎる」「MTがない」などそれまでのスカイラインGT-Rとの差にネガティブなイメージが先行した。しかし蓋を開けてみればどうだ。圧倒的な実力と777万円というとんでもないバーゲンプライスでR35は「GT-R」の分離に成功して名声を収めた。イヤーモデルが出る頃にはそんなネガを言っていた層もほぼ消えた。
これは開発責任者の水野和敏氏をはじめ、当時のGT-Rに関わるチームの徹底したマーケティングからなるものだった。ニュルブルクリンクと仙台ハイランドでクルマを鍛えあげ、日本のファンも置いてけぼりにしない情報公開を徹底していた。
その積み重ねでR35 GT-Rは日本のスカイラインGT-Rファンの溜飲を下げさせたのだ。歴史から学ぶのであればスカイラインは決してファンにすり寄ることがマストではない。メーカーとしての確固たる意志とユーザー理解がなによりも大切なのだ。
2014年のベストカー本誌にてV37スカイラインのインプレッションを担当した編集部員が次のような原稿を残している。
【スカイラインというクルマに求められるのは「お客様の声を聞いて作り上げた」無難な”商品”ではなく、作り手が熱いメッセージを込めた、「新しいスカイラインはいままでとは違う、こんなスカイラインです!」という”想い”なのではなかろうか】
どうか新型スカイラインのCVEやマーケティング担当者は販売現場や開発現場の声をしっかりと聞いてほしいし、スカイラインを知る層にも、そしてこれからスカイラインに触れる層の声も聞いてほしい。2027年、70年も続くスカイラインブランドの舵取りが大きく変わろうとしている。
【画像ギャラリー】ベストカーが撮り溜めたスカイライン&GT-Rの貴重な蔵出し写真を公開! 誌面を彩った“伝説の軌跡”を凝視せよ(31枚)画像ギャラリー

































コメント
コメントの使い方V35〜V37は車としての出来は良いのに「スカイライン」という名前で迷走してしまったと言えますね。
スカイラインファンの心を掴むオマージュを踏んだんに取り入れる次期型でさえ、
「大きくなりすぎた」
「5ナンバーサイズに戻してほしい」
といった極端な話が言われてしまうのがスカイラインという名前の辛いところかと思います。