1976年にブランドが設立され、2026年で50周年を迎えるTRD(トヨタ・レーシング・ディベロップメント)。50年もの長きにわたって我々クルマ好きの憧れをかき立たせ続けてきたTRDの歴史を、輝かしい作品たちとともに振り返る。
※本稿は2026年3月のものです
文:永田恵一/写真:TRD、トヨタ、ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』2026年4月26日号
トヨタを影から支えてきたTRDの歴史
TRDの歴史を振り返ると、1954年に東京トヨペットの下取り車を再生する部門として、TRDの起源となるトヨペット整備が設立されたのがすべての始まりだ。
1965年にはTRDの前身となる特殊開発部が設立され、ここでは1966年に上映された映画『007は二度死ぬ』に登場した2000GTのオープン仕様を製作したほか、当時の世界記録を数々更新した、2000GTでのスピードトライアルも担当。
1972年には初代セリカの純正スポーツパーツを発売し、1974年にモータースポーツ部品の商標となるTOSCO(トスコ)が立ち上げられ、1976年にTRD(トヨタ・レーシング・ディベロップメント)に改称。ここでTRDブランドが生まれた。
1990年には社名がトヨタテクノクラフトに変更され、海外進出も1979年の北米におけるトヨタのモータースポーツ拠点となるTRD USA設立に続き、2006年にはTRDアジア(タイ)、2012年にTRDインドネシアが設立されている。
TRDはトヨタのモータースポーツを牽引!!
続いてTRDの大きな柱となるモータースポーツ活動を振り返ろう。今でこそトヨタのモータースポーツはトヨタGAZOO Racingが一部を除き手掛けているが、かつては1957年にトヨタのモータースポーツ活動の始まりとなる豪州一周ラリーに参戦した初代クラウンを製作するなど、TRDがワークス活動を担っていた。
TRDがコンプリートカー事業に参入したのは1994年で、スタートはJTCC(TRD2000)とJGTC(TRD3000GT)参戦車をイメージしたモデルだった。(JTCC=全日本ツーリングカー選手権 JGTC=全日本GT選手権)
その後もモータースポーツで培ってきた技術がフィードバックされ、エアロパーツ、後付けターボ、クイックシフト、足回りなど、モータースポーツ直系の技術が惜しげもなく投入されたモデルを登場させた。
現在TRDは、2018年からトヨタテクノクラフト、モデリスタ、ジェータックスを統合したトヨタ カスタマイジング&ディベロップメント(TCD)の一部だ。
前述のモータースポーツ活動のほか、スポーツモデルにはGRの名が冠せられるなど、TRDの存在感が薄くなっているのは否めない。さらにTRDパーツ自体が激減しているのも残念。
しかし前面には出てこないだけで、トヨタのモータースポーツをサポートし続けているし、市販モデルではGRパーツの企画・開発を含め、TRDの仕事は今も昔もそれほど変わっていない。
20世紀はサーキット、オンロードのイメージが強かったTRDも、北米で人気の高いTRD Pro、アジアでのハイラックスのラリーなどによりオフロードでも強いイメージが付加され、新たな一面を見せているのは特記事項だ。
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