北米偏重の電動化戦略は経営陣の判断ミス(鈴木直也)
●ホンダの決断への評価:★★★☆☆
唯一評価できる点は、現在進行中の電動化戦略の誤りを認めて軌道修正を図ったこと。経営陣に正常な判断力が残っていたのは幸いだった。いただけないのは、危機に至った原因としてトランプ政権の環境政策の迷走を挙げていること。
もちろん、IRA打ち切りや環境規制の大幅緩和などで目算が狂ったのは事実。GMやフォードも巨額の減損処理を強いられている。
しかし、GMやフォードが北米最優先なのはわかるが、ホンダには中国やアジアもあるうえ、2輪からの移行を考えると途上国も将来有望な市場のはず。それなのに、チップをすべて北米市場に賭ける極端な電動化戦略を採ったのは、経営陣の判断ミスと言わざるを得ない。
ではどうするか? ホンダにとって死活的に重要な北米は、HEVの強化などしかるべき手を打っているのでそれほど心配はない。
「軽しか売れない」と言われて久しい日本も、ホンダファンはしびれを切らしているが業績は横ばい。
ただ、最もヤバイのは中国およびアジア市場。
中国ではまさにボコボコで、ピークの2020年から100万台以上減らして64.6万台。タイ、マレーシア、インドネシアでも中国勢に相当食われている。
先日の電動化戦略見直し会見で、三部社長は「インドを日本・米国と並ぶ重点市場に指定する」と述べたが、2年や3年で攻略できる国ではない。ホンダ復活に近道はない。スズキを見習って泥臭い長期戦を耐え抜く覚悟が必要だね。
また極端に振れたのか! というホンダらしさ(松田秀士)
●ホンダの決断への評価:★★☆☆☆
2021年の脱エンジン宣言は株価対策が込められているなと感じていた。ホンダは新発明/新開発技術を公表し、しかしいつまでたっても実用化されないままお蔵入り、というパターンをいくつも見てきたからだ。
もともとエンジンのホンダでしょ! 対サプライヤーを含めて、脱エンジン宣言でいいのかよ!? ともね。
いま、やっと目が覚めたか! というよりも、それにしてもまた思い切った改革だよね。せっかく開発したBEV3車種はお蔵入り。さらにソニーとのアフィーラの開発も中止。
この思い切りのよさ、というか、右か左か? ONかOFFか? という社風。
今回も逆に、それでいいの? ともね。もう少し優柔不断でもよいのでは、と。
いずれBEVは必要になるわけで、もちろん完全にやめてしまうわけではないのだが、巨額損失を大々的に発表して「あれもこれもBEVのせい」のように振る舞うのは伝統ある日本の企業としてあまりにも懐が浅い。
本田宗一郎さんは極楽浄土でどう思っているだろう? 生きてたらメガトン級の雷を落とすだろうね。
S2000、S660、ホンダe。魅力あるクルマが年を追うごとに姿を消し、そして今回も。F1をやってる場合じゃないよ。
【画像ギャラリー】カッコ良かったのにもったいない!! 開発中止になったホンダEV全部見せ!!(8枚)画像ギャラリーデザイン、商品力、開発スピードなどが問題(山本シンヤ)
●ホンダの決断への評価:★★★★☆
新聞・経済紙は0サルーン/SUVの発売中止を「BEVの問題」にしていますが、筆者はデザインや商品力、そして開発スピードなどに問題があったと分析しています。
電動化はどの自動車メーカーもやっていく必要があることですが、現在(=過渡期)は儲けられる“術”もないと事業は続けられません。
多くのメーカーはBEVとHEVで共用できるマルチプラットフォームを使用していますが、ホンダは技術オリエンテッドかつ独自性にこだわり過ぎたのでしょう。
さらにホンダの将来戦略を正確に伝えられなかったのも原因のひとつです。
2021年に「BEV/FCEVの販売比率を2040年に100%」と発表しましたが、質疑応答では「特定技術(=電動化)に対して決め打ちでシナリオを描かない」、「いろいろな技術に対して可能性を残しておくべきだと思う」と。筆者は今でもこれこそがホンダの“本心”だと思っています。
確かに“軌道修正”に若干時間を要し、資金的にも猛烈な痛みを伴っていますが、中長期的に考えれば一旦リセットで仕切り直しでしょう。今は「高い勉強代」と割り切るべき。そして、今後のホンダは何を目標にするのか? 気になる所です。
個人的には0サルーン/SUVで培った技術・ノウハウが無駄になることだけは避けてほしいです。願わくばこれらに搭載可能な超小型・超高効率な新エンジンを開発、PHEVもしくはレンジエクステンダーEVとして復活させてほしい。











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