いまや絶滅した国産ミッドシップモデルながらお値打ち感が高いトヨタのMR-S
MR2の3代目に相当するモデルとして、1999年10月にデビューしたMR-S。
軽量で機敏に走り、多様なシーンで操る楽しさが実感できるミッドシップのライトオープンスポーツを身上としたMR-Sは、1トンを下回る軽量化がもたらす“パワーよりも軽快なハンドリング”を優先して開発が行われた。
全長が3885mmに対して2450mmというロングホイールベースや前765㎜/後670㎜というショートオーバーハングを採用した新設計のオープン専用ボディに140psを発生する直列4気筒DOHC16バルブ1.8リッターVVT‐iエンジンを組み合わせて、ハイレベルな操縦性と走行安定性を実現したMR-S。
ステアリングシステムも電動ポンプの油圧でアシストする小型軽量のEHPS(エレクトロ・ハイドロリック・パワーステアリング)を採用し、車速感応制御を高精度に行うことで低速から高速まで優れた操舵フィーリングを提供した。
また、オープンカーの泣きどころともいえるボディの剛性もロッカーパネルなどの主要部を大型断面の骨格で構成して骨格内部の補強材を最小限にするなど、高剛性を確保しつつも軽量ボディを実現。加えて、フロントフェンダー&リアフェンダーともにボルトで脱着できる構造を採用して、交換や補修のしやすさにも配慮されていた。
2000年8月には、クラッチ操作を行わずにシフトレバー(ステアリングシフトスイッチ)を操作することで連続的なシフト操作が可能な日本初の量産乗用車向けシーケンシャルトランスミッション搭載車が追加され、こちらも大きな話題を振りまいた。
しかし……人気もセールスも低調だったことから、2007年7月に販売が終了。
セールスが伸び悩んだこともあって、現在の中古車市場ではタマ数が決して多いわけではないものの100万円以下の個体が多く、お値打ち感は高い。
趣味性が高すぎるからこそ乗りたいミッドシップ&オープンルーフのホンダ・S660
先述のコペンと同様に軽自動車のオープン2シーターという希少性が心を揺さぶるS660。
あらゆる場面でいつでもワクワクする、心が昂ぶる本格スポーツカーを追求するべく“Heart Beat Sport”をキーワードに開発され、2015年4月にデビューを果たした。
残念ながら2022年3月に生産終了になってしまったが、走りを意識したミッドシップのオープン2シーター軽スポーツモデルは現在の中古車市場においても平均価格が200万円を下らないほどの人気モデル。
それだけに、今なお「乗りたい!」という人も多いのではないだろうか。
充実という言葉では言い尽くせないほどの装備を誇るS660。
走りを司るエンジン&ミッションには、専用ターボチャージャーを採用した直列3気筒DOHCエンジンとワイドレンジ&クロスレシオの6MTやダイレクトな走りが楽しめるスポーツモードに切り替え可能な7速パドルシフト付CVTを採用。
また、ミッドシップエンジン&リアドライブレイアウトの採用による最適な前後重量配分や軽自動車初の電子制御システムであるアジャイルハンドリングアシストによって、曲がる楽しさもしっかりとドライバーに提供してくれる。
そう、まさに“Heart Beat Sport”たる2シーターのオープン軽自動車に仕上げられているのだ。
そのいっぽうで、実用面でやや難があることは否めない。
室内空間は想像している以上に狭く、収納スペースも皆無に等しい。要するに、お買い物やロングドライブなど普段使いのクルマとしては適さないことも事実だが、そんなウィークポイントもS660の唯一無二な魅力のひとつ。
全高も1180mmと低くて着座位置も低いため、乗り降りするのも大変だが、バイクに乗るような感覚で楽しむ“趣味グルマ”と割り切れば何ら問題はない。
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