子育て世代のクルマといえばミニバンかSUVが定番とされている。だが、背の低いセダンやワゴンでは本当に子育てができないのか。30系プリウスで乳幼児との生活を約1年続けた筆者の実体験をもとに検証する。
文:佐々木 亘/写真:ベストカーWeb編集部、トヨタ
【画像ギャラリー】今がお買い得な3代目、4代目プリウスを再確認!! 案外ファミリー層でも使えるゾ(25枚)画像ギャラリー「プリウスでは無理」という思い込みはハズレだった
筆者の愛車は30系プリウスだ。子供が生まれる前から、チャイルドシートやベビーカーを積み込んで日常の買い物まで済ませるには空間が足りなくなると覚悟していた。ところが実際に積んでみると、これが何とかなったのだ。
乗車スタイルは、運転席に筆者、後部座席の運転席側に子供、助手席側に妻が座る。誰も乗らない助手席は目一杯前方にスライドさせて荷物置き場に転用。大柄なチャイルドシートは回転時にドアと若干干渉するものの実用上は問題ない。
トランクにはしっかりとしたベビーカーを積んだうえで、買い物かご1個分のスペースが残っている。助手席を前に出したことで後席の足元が広くなり、ミルクやり・着替えといった日常のお世話も何とかこなせる状態だ。
3人家族であれば、プリウスは子育てカーとして十分に機能する。これが1年間使い続けた正直な結論だ。
これから買うなら4代目(50系)が最善だ
3代目でも乗り切れるとはいえ、これからプリウスを選ぶファミリーには4代目を強く勧めたい。理由は二つある。
一つ目は室内寸法だ。4代目は3代目比で室内長が105mm、室内幅が20mm拡大された。室内高こそ30mm低くなっているが、長さと幅の拡大によって後席の体感的な広さは4代目のほうが上回る。
二つ目はリアシートの座面だ。4代目は先代より座面長が長く、傾斜もなだらかで長時間の乗車での疲労感が少ない。後席に家族を乗せる頻度が高いファミリーユースでは、軽視できないポイントである。
一方、現行の5代目はボディ全体が大きくなった反面、低重心デザインの影響で室内空間が削られており、後席でのお世話のしやすさは3代目にも及ばない印象だ。子育てファミリーがプリウスを選ぶなら、4代目・3代目・5代目の順に検討するのが賢明で、4代目の中古車を狙うのが最もコストパフォーマンスの高い選択といえるだろう。
それでも、不満はある
プリウスで子育てができると述べてきたが、不満がないわけではない。ヒンジドアは子供の乗せ降ろし時に両手が塞がっていると開閉しにくく、スライドドアのキックセンサーがあればと思う場面は何度もあった。
より具体的な問題として挙げられるのが、後席のカップホルダーだ。プリウスの後席アームレスト一体型カップホルダーは、チャイルドシートを取り付けると引き出せなくなる。哺乳瓶や水筒を置く場所に困る場面が多く、これは地味に痛い。デザインや形状にこだわることは否定しないが、チャイルドシート装着時の実用性を犠牲にするようでは、ファミリー層に選ばれるクルマとはいえないだろう。
結果として、クルマの寿命もあったが、筆者はノアに乗り換えた。個人的にはセダンやワゴンに乗りたかったが、子供の快適性や子育てのしやすさを考えると致し方のない選択だったと思う。
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