補助金はいつまで続く?
米国とイランが合意に至って原油先物の指数が下落しても、現物が日本に届き、サプライチェーンが復旧するまでにはタイムラグがある。そのため国内ガソリン価格においては、これまでの極端な高値から、数カ月をかけて段階的に下がっていく展開が予想される。
高市政権は6月上旬の国会答弁において、「今後必要に応じ、支援単価を含め支援のあり方を柔軟に検討する」と、ガソリン補助金の出口戦略に関して述べ、将来的な補助の縮小や見直しを示唆した。
明確な終了時期は未定だが、政府は補正予算で財源を確保しつつも、市場価格の下落ペースに合わせて補助金額を段階的に縮小する見込みであり、6月下旬においては、この巨額の財政負担の見直しを模索している。
補助金が終わるとガソリンはいくらになる?
原油の輸入と供給が安定化しても、ガソリン価格が大幅には下がらない可能性もある。その障壁となるのが為替だ。当然ながら円が安ければ、ドルで取引される原油の価格は高くなる。
暫定税率の廃止後の今年1月、ガソリン価格は全国平均で1リッター当たり155円まで下落したが、その時点のドル円(月間平均、以下同)は156.8円だった。
しかし、3月には1ドル158.7円、4月には159.2円になるなど円安が加速。そして4月29日、ついに1ドル160円を突破したところで日銀が介入し、4月30日から5月上旬にかけて約11兆7,300億円の為替介入が行われた。これによって5月は1ドル158.2円に押しとどめられたものの、その後も円安は止まらない。
6月16日には日銀が利上げを発表した。一般的に利上げは自国通貨を押し上げる力として働くが、この日の為替に大きな変化は見られなかった。そして6月18日、ドル円は1ドル161円を記録。これは1986年(昭和61年)以来、約39年ぶりの安さであり、政府はこうしたトレンドに警戒感を高めている。
利上げが発表されても自国通貨が高くならない理由はさまざまあるが、主には欧米との金利差が開きすぎている点にある。そのため日本が現行の0.75%から1%へ利上げしても、世界の資金は日本には流入してこない。
なぜならマクロ経済においては「金利の高い国にお金は集まる」という定理がある。投資家にとって、いまだ超低金利な日本の円で資産を保有するメリットはあまりにも少ない。
ともあれ中東紛争という直近の課題はピークを過ぎた。まずは海上交通の平常化によって国内のガソリン価格がどの程度、どのくらいのスパンで下がるかに注目が集まる。
ただし円安の改善策は見出されていない。
この課題に取り組むには、日本の産業構造や内需拡大にまで話題がおよぶことになる。抜本的にその課題が解決されるまで、ドライバーにガソリンの「適正価格」が提示される可能性は極めて低いのではないだろうか。
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