「アルファードは値落ちしない」というイメージは今も健在なのだろうか。クイック・ネットワークが、過去6年間(2021〜2026年)の売却実績を分析した調査レポートを公開した。中古車バブルや半導体不足、新型40系の登場など、市場を揺るがした出来事とリセールバリューの関係をデータから読み解く。
文:ベストカーWeb編集部/画像:PRTimes
バブルは終息、それでもアルファードは”高リセール”を維持できるのか?
高級ミニバン市場を牽引し続けるトヨタ アルファード。その人気は新車だけにとどまらず、中古車市場でも長年にわたり圧倒的なリセールバリューを誇ってきた。
今回、勝ち抜き査定「セルカ」を運営するクイック・ネットワーク株式会社は、2021年から2026年までの同サービスにおけるアルファードの売却実績を分析し、中古車相場の変遷をまとめた調査レポートを公開した。
データを見ると、この6年間の相場は単純な右肩上がりでも右肩下がりでもない。コロナ禍による半導体不足や新型モデル投入、さらには海外需要など、さまざまな要因が複雑に絡み合っていたことが分かる。
もっとも象徴的だったのが2022年だ。世界的な半導体不足や物流の混乱によって新車の納期は1〜2年以上へと長期化。「新車が買えないなら中古車でも構わない」という需要が一気に高まり、中古車価格は異例の高騰を見せた。
調査では、30系後期型の2018年式アルファードが前年より約56%高い価格で取引されるケースも確認されたという。本来なら1年経過すれば価値が下がるはずのクルマが、逆に価格を伸ばすという、まさに中古車バブルと呼ぶべき状況だった。
さらにアルファードは海外市場、とくにマレーシアで高い人気を誇る。
同国では登録から1年以上5年以内の中古車しか輸入できない制度があるため、1〜5年落ちのアルファードには継続的な輸出需要が存在する。この海外需要が、アルファードの高いリセールを支える大きな理由のひとつとなっている。
2023年6月には現行40系アルファードがデビューした。
フルモデルチェンジにより、それまで現行だった30系は型落ちとなり、市場の注目は一気に40系へ移行。その影響で、前年まで続いた異常な高騰相場は落ち着きを見せ、多くの年式で前年を下回る価格となった。
しかし、その流れは長く続かなかった。
新型40系に注文が殺到し、トヨタが新規受注を停止。欲しくても新車を注文できない状況が生まれたことで、今度は中古車市場へ需要が集中したのである。
2024年には2023年式の1年落ち車両が前年比約20%高となり、再びリセールが上昇。さらに当時の円安も重なり、海外バイヤーによる積極的な買い付けが価格を押し上げた。
まさに「第2のアルファードバブル」と呼べる局面だった。
2025〜2026年は適正相場へ回帰…売却タイミングはどう考える?
今回の調査では、2025年以降の相場は徐々に正常化していることも示されている。半導体不足が解消され、新車供給も改善。受注停止も解除されたことで、新車を通常どおり購入できる環境が戻り、中古車市場の過熱感は薄れてきた。
2024年式を例にすると、2025年には登場時から約19%下落、2026年には累計約23%下落となり、市場は本来のリセール水準へ戻りつつあるという。もちろん「値下がりしている」とはいえ、アルファードの資産価値そのものが低くなったわけではない。
海外需要やブランド力は依然として高く、国産ミニバンの中でもトップクラスのリセールを維持していることに変わりはない。むしろ、異常なバブル相場が終わり、適正価格で評価される市場へ戻ったと見るべきだろう。
売却を検討しているオーナーにとっては、「いつでも高く売れる」という考え方ではなく、新型投入や受注状況、市場の需給バランスを見ながらタイミングを判断することが、これまで以上に重要になりそうだ。


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