ただ、国内販売ではハリアーとの差を埋めることはできなかった
このように、デザインや走りでは高い評価を受けた初代ムラーノでしたが、国内販売ではハリアーとの差を埋めることはできませんでした。
2003年に登場した2代目ハリアーは、月販目標2500台に対し、発売から約1か月で約9300台を受注するなど好調で、2005年にはハイブリッドモデルを追加するなど商品力も向上。高級クロスオーバーSUVとしての地位をさらに確かなものにしていきます。
一方、初代ムラーノの国内における月販目標は1000台。北米では発売から約2年間で累計約8万台を販売するなど高い人気を獲得しましたが、そのまま日本市場で幅広く受け入れられるには、いくつかのハードルがありました。
そのひとつが、北米市場を前提に開発されたパッケージングです。当時のハリアーより全長で35mm、全幅も35mm大きいボディは、当時の国内モデルとしてはやや大柄。フロントノーズを大胆に傾斜させたデザインによって車両感覚をつかみにくいということもあり、日本の道路事情では扱いやすさの面で不利だったと考えられます。
燃費も課題でした。日本向けに設定された2.5L直列4気筒エンジンは、1.6tを超える車重に対して余裕のある動力性能とはいいがたく、アクセルを踏み込む場面が多くなりがちとなることで、燃費性能は伸び悩む傾向。2005年にハイブリッドモデルを追加したハリアーとの差は歴然でした。
北米で生まれ育ったムラーノには、ハリアーにはない魅力がある
それでも、豊かな曲面で構成された流麗なフォルムや、北米らしい伸びやかなデザインは、歴代ムラーノへと受け継がれてきた大切な個性です。
そして2026年、ムラーノは再び日本市場へ戻ってきました。米国生産車をそのまま導入し、日本初採用となる2.0L VCターボエンジンと9速ATを搭載するなど、初代と同様に北米で磨かれた商品力をそのまま日本へ持ち込んでいます。
筆者は、初代ムラーノが日本で発売される少し前、厚木付近で東名高速をテスト走行中のムラーノに遭遇したことがあります。当時の国産SUVとは明らかに違う雰囲気があり、素直に「カッコいい」と感じたことをよく覚えています。
そんなムラーノが再び日本市場へ戻ってきたことには、少なからず感慨があります。北米で生まれ育ったという経緯は当時と同じですが、今回、北米の空気感を色濃く残したまま日本に導入されることは、初代や2代目とはまた違った意味を持つはずです。
はたして約12年ぶりに戻ってきたムラーノが、いまの日本のユーザーにどのように受け入れられるのか。今後の動向に注目したいところです。
【画像ギャラリー】伸びやかなフォルムと北米生まれならではの個性が高く評価された日産初の本格クロスオーバーSUV 初代「ムラーノ」(22枚)画像ギャラリー























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