自販連では毎月「販売台数データ」を発表している。当然売れ行きには差がつくことになるが、その差はいったいどこから生じるものなのか? ここではコンパクトSUVの販売台数トップ3を比較し、それぞれの魅力から謎を解いていこう。
※本稿は2026年6月のものです
文:渡辺陽一郎/写真:トヨタ、ベストカー編集部
初出:『ベストカー』2026年7月26日号
※各車の販売台数は2026年1~4月の累計です
なぜライズはこれほどウケているのか?
●価格:180万700~241万3400円 納期:受注停止中
ライズはSUVでは貴重な5ナンバー車で、全長は4mを下まわる。最小回転半径も売れ筋グレードは4.9mに収まり、視界もいいからコンパクトカーのように運転しやすい。
その一方で全高は1620mmだから着座位置は適度で、後席も足を投げ出す姿勢にならず足元空間が広く感じる。さらにG・2WDは、アルミホイールを標準装着して価格は約196万円。価格をコンパクトカーと同等にしたことも人気の理由だ。
同士討ち? 2位ヤリスクロスの逆転に求められるポイント
●ヤリスクロスの魅力
フロントマスクを鋭角的に仕上げるなど外観が都会的。ハイブリッドG・2WDのWLTCモード燃費は30.2km/Lと優秀で、動力性能にも余裕があり、高速道路の走りにも適する。
トヨタの販売店では「ヤリスクロスは3ナンバー車なのに、車内が広くないという理由で、ライズを選ぶお客様もいる」という。
車内の広さはライズと同等だが、アルミホイールなどを装着したG・2WDの価格は、ライズG・2WDよりも約38万円高い。フルモデルチェンジしないと困難だが、ヤリスクロスは後席の足元空間を少し拡大させたい。
価格差が約38万円なら内装の質も高めたい。逆に現状維持なら18万円ほど値下げして、ライズGとの価格差を20万円前後に抑える。またヤリスクロスは、野性的なZアドベンチャーを用意するが、外観の差が小さい。SUV感覚をさらに強める必要がある。スポーティグレードとしてGRスポーツも加えたい。
トヨタ勢を捲れるポテンシャルはあるがネックは「お買い得感」
●ヴェゼルの魅力
全長が4.5m以下のコンパクトSUVでは、後席が最も広い。後席の座面を持ち上げると背の高い荷物を積めるなどシートアレンジも多彩だ。内装も上質で、視界がいいため街なかでも運転しやすい。
ヴェゼルは、通常のガソリンエンジン車を充実させたい。当初の戦略では、ヴェゼルはベーシックな4WDを除いてハイブリッドを増やし、ガソリンエンジンはWR-Vが受け持つことになっていた。しかし2026年の売れゆきを見ると、WR-Vはヴェゼルの20%しか売れていない。
内外装が上質なヴェゼルに、ガソリンエンジンで乗りたいユーザーもいるから、その期待に応える。またヴェゼルはSUV感覚の強い野性的なグレードとして、e:HEV・Xを用意した。
しかし299万8600円の価格からわかるとおり、買い得グレードの位置付けでSUVの魅力が乏しい。クロスターなどの名称で外観を大きく変えて、最低地上高も拡大したグレードがあるとよい。
このほか低金利も大切だ。ホンダの残価設定ローン金利は、以前は3%台だったが今は5.2%だ。2.9%の低金利キャンペーンを積極的に行いたい。
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