良くも悪くも日産車だからこその生涯をたどった、ジューク
日産は、新しい技術の開発が得意で、アイディア力もあるが、小まめなマイチェンで商品力を磨きなおして「最期まで売る」という姿勢に弱い。そのため他社車メーカーに付け込まれ、エルグランドやキューブがそうであるように、せっかく発掘した枠を取られていくことの繰り返しだ。日産が手をかけて「育てる」行為をもっとしていたら、国内市場は今とは違った状況が起きていたかもしれない。
時が定かではないが、筆者はとある現場で、ボディに偽装をした初代ジュークの最終実験車を目にしていた。当時は、どう見てもカッコいいとは思えなかった。前後が短く、背が高く、タイヤもアンバランスに大きい。「デザイナーの暴走、どうしてあんなのが出てきたのだ」と同僚と話していたのを思い出す。
正直なところ、筆者レベルのデザイン感度だと、売れるとは思っていなかった。しかし、デビューするや否や世界中で大ヒット。「キモカワ」、「ブサカワ」など、散々言われていたが、あの「癖の強さ」がかえってよかったのであろう。筆者の父も、知らぬ間にジュークターボを買っていた。
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