2026年7月の商品改良で、CX-30から1.8Lクリーンディーゼル「SKYACTIV-D 1.8」が姿を消した。登場以来、力強いトルクと好燃費で「小さなマツダ車にもディーゼル」という選択肢を根づかせたエンジンだ。なぜ廃止され、何を残したのかを振り返る。
文/写真:ベストカーWeb編集部
【画像ギャラリー】230万円台スタートは偉大すぎた!! CX-30の高級感はピカイチ(5枚)画像ギャラリー廃止理由は未公表、背景には機種体系の再編か?
マツダはSKYACTIV-D 1.8の廃止理由を明らかにしていない。2026年7月の発表では、CX-30に2.5Lマイルドハイブリッドの「e-SKYACTIV G 2.5」を追加し、機種体系をシンプルに見直したと説明するのみだ。
しかもディーゼルは、2025年秋に燃料噴射制御などを見直し、WLTCモード燃費をFFで19.5km/Lから20.2km/L、4WDで18.7km/Lから19.2km/Lへ改善したばかり。「XDドライブエディション(XD Drive Edition)」も新設されており、性能不足や商品力低下による単純な退場とは考えにくい。
背景として想像できるのは、排出ガス規制への継続対応にかかるコストと販売規模のバランス、そして電動化と並行して進むパワートレインの整理だ。CX-30と同時にMAZDA3からも1.8Lディーゼルが消えたことを見れば、車種単独ではなく小排気量ディーゼル全体の再編と見るのが自然だろう。
「小さくても力持ち」を実現した名脇役
SKYACTIV-D 1.8は2018年、CX-3に初採用された。従来の1.5Lから排気量を拡大し、実用燃費と環境性能を高めながら、高回転域まで力強く伸びる走りを狙ったエンジンだ。2019年のCX-30発売時にも、2.0Lガソリン、SKYACTIV-Xと並ぶ主力のひとつに据えられた。
2020年の改良では最高出力を116psから130psへ向上。最大トルク270Nmを1600~2600rpmで発生し、発進や登坂、高速道路での追い越しを余裕たっぷりにこなした。大排気量ディーゼルを積むSUVほど大きくも高価でもないCX-30で、太いトルクと20km/L級の燃費を味わえた点こそ最大の功績だ。
新しい2.5Lマイルドハイブリッドは179ps/238Nmと伸びやかな加速が魅力だが、WLTCモード燃費はFFで15.5km/L、4WDで14.5km/L。XDの経済性と低回転の力感をそのまま受け継ぐ後継ではない。
小さなボディで力強く、燃料代を抑えて遠くまで走れる。SKYACTIV-D 1.8は、ディーゼルを一部の大型車だけのものにしなかった。効率だけでは語れない、マツダらしい「走る歓び」の間口を広げたエンジンだったのだ。
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