高速道路を走行していると、逆走車に対する注意看板が何枚も続けて設置されているのを見かけることがあります。こんなに必要ないのでは?と思ってしまうところですが、逆走事案は減少傾向にはあるものの、いまも全国でおよそ2日に1件のペースで発生しています。
高速道路各社は、路面表示やカラー舗装、ラバーポールによる誘導に加え、逆走時に振動や視覚効果で異変を知らせる新たな物理的対策の導入も進めていますが、この10年で大きな改善はない状況。なぜ高速道路の逆走はなくならないのか。その背景を、発生場所や事例から探ります。
文:yuko/アイキャッチ画像:Adobe Stock_ fotoriatonko/写真:Adobe Stock、写真AC、NEXCO中日本、エムスリープロダクション
【画像ギャラリー】高速道路の逆走はなぜなくならない!? 発生場所とドライバーに共通する“意外な原因”(9枚)画像ギャラリー逆走の4割はICやJCTで発生 10年間変わらない傾向
NEXCO中日本によると、2024年に全国の高速道路で発生した逆走事案は220件だったそう。このうちの50件は事故に発展し、10件が負傷事故、4件は死亡事故という重大な結果を招いています。
およそ2日1回の頻度で発生する逆走事案をなくすため、高速道路各社は路面の矢印表示、カラー舗装、注意看板の設置など多角的な対策を重ねています。しかしながら、事案数は減少傾向にはあるものの、この10年で大きく改善したとはいい難い状況。コロナ禍による交通量減少によって2020年から2021年は200件を下回ったものの、人流が回復した近年は再び200件を超える水準で推移しています。
逆走が始まる場所も、この10年で大きく変わっていません。2024年は220件のうち91件(41%)がインターチェンジ(IC)やジャンクション(JCT)などの分合流部・出入口部で発生しましたが、10年前である2015年も、同様の場所が37%を占めており、発生割合はほぼ横ばいです。
その一方で、単路部で発生した逆走は2015年の26%から2024年は16%まで減少しています。中央分離帯付近や本線での安全対策が効果を上げている可能性がありますが、ICやJCTのように進路の判断が求められる場所では、依然として逆走が多く発生していることがわかります。
逆走の約半数は「道間違い」がきっかけ!!
NEXCO中日本が掲載している2024年のデータによると、逆走の開始要因でもっとも多いのは「道間違い」で、全体の約半数を占めています。道を間違えたあと、本来のルートへ戻ろうとして逆走するケースだけでなく、進むべき方向や進入口を誤り、本人が逆走と気づかないまま走り始めるケースもあります。
たとえばICや料金所付近では、目的の出口を通り過ぎたあと、本来出ようとしていたランプへ戻るために逆走したり、高速道路へ誤って進入したことに気づき、一般道へ戻ろうとして料金所付近で転回したりする事例が確認されています。また、一般道から高速道路へ入る際、進入口を間違えて出口側へ進入するケースもあります。
SAやPAでも、本線へ戻る際に出口ではなく入口へ進入したり、行き先を間違えて本線を逆方向へ走ったりする事例が挙げられています。こうしたケースでは、逆走していることに気づかないまま走り続けてしまうおそれもあります。
ICやJCTでは、ランプウェイの大きなカーブによって車両の向きが変わるうえ、立体交差や分岐、合流が続くため、進行方向を取り違えやすくなると考えられます。つまり逆走がなくならない背景には、複雑にならざるを得ない高速道路ならではの道路構造と、一度の判断ミスが重大事故につながりやすい交通環境があると考えられます。











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