長寿命車特別編/トヨタアイシス:販売期間13年3カ月
最後に地味ながら、長寿命車を調べていくなかで、非常に惜しいと思った一台を紹介しておきたい。2004年9月に登場したアイシスである。
5ナンバーサイズを基本とした(エアログレードはエアロパーツ分で3ナンバーとなる)3列シートモデルで、ノアやヴォクシーのように常に3列を使用するのではなく、通常は3列目を床下に格納し、ステーションワゴン的に使うことを想定したモデルとなっていた。
同様のコンセプトのモデルはウイッシュが存在していたが、あちらはヒンジドアなのに対し、アイシスは両側スライドドアを備えていたのが大きな違い。
そして何よりオンリーワンだったのが、「パノラマオープンドア」と称されるセンターピラーレス(正確にはドア側にセンターピラーを内蔵)の大開口部を助手席側に持っており、非常に使い勝手の良いモデルとなっていた点だった。
センターピラーレスのスライドドアモデルは、現行型ではダイハツ タントやホンダ N-VANに採用例があり、アイシスの前年に登場したラウムも採用していたが、3列シートを持つモデルはアイシスがオンリーワンの存在となっており、ファミリーカーとしてはもちろん、介護系の送迎車などに使用される例も少なくなかった。
そのため、圧倒的な大ヒットとはいかなくても2004年9月から2017年12月まで、ジワジワと売れ続けるロングセラーモデルとなったワケなのだが、かといって新型モデルを開発するほどは売れてはおらず、特にセンターピラーレスは衝突安全の面でクリアしなければならない点が年々厳しくなっていることもあって、1代限りのモデルということになってしまったのだった。
普通乗用車で実現した、センターピラーレスの解放感はアルファード&ヴェルファイアもかなうまい。
編集部まとめ

長寿命車と短命車の違いはどこにあるのだろうか? 長寿命になった理由としては、人気が継続しているため、あえて新型を開発しなくていいと判断されながらも、放っておかれたわけではなく、細かな改良を加えられたロングセラーモデル。
その代表例は約19年販売され続けているデリカD:5、14年の3代目エスティマや2代目プレミオ&アリオン、前述したアイシスなどもそうなるだろう。
もちろん、そうした長寿命車のなかには次期型の開発費が出せず、先代と同じプラットフォームを使い続けて熟成されていくクルマもあるが、やはりユーザーはしっかり見ているため、放置していれば売れなくなっていくのは世の常である。
一方、短命車は、メーカーが想定した販売台数に届かず売れないから、つまり不人気のため生産終了したケースがほとんどである。その短命車の主な原因は、需要の読み違い、価格が高すぎ、クルマの立ち位置の弱さなどである。
インプレッサリトナ(1年6カ月)、オートザムクレフ(1年11カ月)、マツダエチュード(2年1カ月)、マツダファミリアNEO(2年4カ月)、スズキX-90(2年3カ月)、ダイハツソニカ(2年10カ月)などが挙げられるが、実に儚くも哀しい短命車ではないか。なかには不人気だったかもしれないが、好きだったという人も多くいるはずだ。ぜひ時間がある時にでも検索して思い出してほしい。
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