クルマを購入する際に参考のひとつにするのがスペック表(諸元表)だが、そこに記載された数値だけではわからない事実もある。今回は、そうした勘違いしやすいスペックについて紹介し、より正確な見方を解説していきたい。
文:長谷川 敦/写真:ダイハツ、トヨタ、日産、写真AC
【画像ギャラリー】クルマ選びで役立つスペック表の読み解き方(10枚)画像ギャラリークルマのサイズに関する、あれこれ
●小回りのしやすさはどこで見る?
日本の狭い道路を走るうえで重要になるのが、どこまで小回りできるのかということ。
クルマの旋回性能に関してポイントになるのがホイールベース(前後の車軸間距離)で、一般的にホイールベースが長いと小回りがきかないといわれている。
もちろんこれは事実だが、実際にはホイールベースと同時に確認してほしい項目があり、それがクルマの最小回転半径だ。
最小回転半径とは、どれくらい小さく回れるかを示す数値。この数値が小さいほど小回りしやすい。ただし、実際の取り回しやすさには車体の大きさなども関係する。
そして最小回転半径にはホイールベースではなく操舵輪の切れ角(舵角)も影響していて、ホイールベースが短くてもエンジンサイズなどの関係によって大きな舵角を得られない車種もある。
こうしたクルマでは最小回転半径も大きくなってしまうので、狭い道や駐車場を利用する機会の多い人は、カタログで最小回転半径をしっかりチェックしておきたい。
●ホントの車幅はどのくらい?
日本の道路&住宅事情において、最小回転半径とともに気になるのがクルマの幅だ。
あまりに広い車幅のクルマは狭い道路を走りにくかったり、リフト式のように左右にフレームがある駐車場には入れられなかったりする。
そうならないよう、クルマの購入時にはスペック表で車幅も確認しておきたいが、実は車幅の数値にも思わぬ落とし穴がある。
それは、サイドミラー(ドアミラー)は車幅に含まれないということだ。
車種によって左右サイドミラー両端の距離が車幅より広くなっている場合もあるので、こちらもきちんと確認しておけば万全といえる。
●ラゲージスペースの真の大きさ
クルマの荷室サイズを調べる際に指標となっているのがL(リットル)で表される容積だ。
当然ながら、容積の数値が大きくなればたくさんの荷物を載せられると思いたくなるが、ことはそこまで単純ではない。
容積に加えて荷室で重要となるのは、それがどんな形をしているのかということ。
荷室には長さ、幅、高さの基本的な3要素があり、いくら容積が大きくても、荷物を載せづらい形状では実用性が下がってしまう。
スーツケースやアウトドアグッズなど、まずは自分が載せたいと思うものの形状とサイズを確認し、それにぴったり合う荷室形状&容積のクルマを選ぶのがお薦め。
トルクとパワーの秘密を知りたい
●トルクは“どこで出るか”が肝心
エンジンの能力を語る際に重要になるのが最大トルクだ。
トルクとは回転力の意味で、少々乱暴に単純化すると最大トルクが大きいエンジンを積んだクルマほど、力強く加速できる。
だからこそスペック表で最大トルクをチェックするのだが、注意してほしいのがトルク値に記されている「/○○○○rpm」の数値だ。
これは最大トルクがどのエンジン回転数で発生しているのかを示すもので、400N・m/3000rpmとスペック表に書いてあれば、そのエンジンの最大トルクは3000rpm(毎分3000回転)で発生する。
ちなみに現在のトルクの標準単位はN・m(ニュートンメーター)だが、かつてはkgf・m(キログラムメートル)が使われていた。
最大トルクが発生する回転数が低い場合、そのエンジンは低速域から最大の回転力を出せるということになる。
近年急速に勢力を拡大しているハイブリッドカーの電動モーターは、内燃エンジンとは異なり、低回転域から大きなトルクを発生する。
ハイブリッド方式によって異なるものの、一般的には低速走行では電動モーター、中~高速では内燃エンジン、または内燃エンジン+電動モーターへと、駆動に用いる動力源を切り替えることによって燃料効率を高めている。
トルクとともに語られることの多いパワー(最高出力)は、トルクとエンジン回転数の掛け合わせで決まり、エンジンが一定時間内にどれだけ多くの仕事ができるかを表す。
この数値が大きいクルマほど、高速域でも速度を伸ばしやすく、最高速度も高くなる傾向がある。ただし、実際の最高速度はギア比や空気抵抗、速度リミッターなどにも左右される。
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