ロードスターにはすべての楽しさが詰まっている【徳大寺有恒の名車リバイバル④】

■940㎏という軽さの意味

 現代のクルマは必然的に重くならざるを得ない。590㎏というロータス・エランの車重は、現代では望むべくもない。

 クラッシュテストやエアコン、パワースティアリングなどを与えることが必要になった現代では1000㎏を割ることが相当難しい。

 しかし、ライトウェイトスポーツカーは軽いことがなによりも高バランスを得るための第一条件なのである。

 しかも軽量化はコスト高にもつながる。そう考えるとユーノス・ロードスターの940㎏という車重はまあ立派というほかない。

 ユーノス・ロードスターは昔のライトウェイトスポーツカーを知らぬ人々にも自動車の新しい喜びを知らしめてくれるだろう。スポーツカーの楽しみは、けっして絶対的な加速やスピードだけではないことも理解させるに違いない。

 ユーノス・ロードスターをドライヴィングした時の感動は、きっとこの種のクルマが生まれてくることを触発させるだろう。

 それは、我々にとっては楽しみなことに違いない。すべてはユーノス・ロードスターにより始まったのだ。

上から撮ったロードスター<br>車内の様子がよくわかる
上から撮ったロードスター
車内の様子がよくわかる

【MAZDAユーノス・ロードスター(NA6CE型)】1989年9月発売

 MGを代表とするブリティッシュライトウェイトスポーツカーをマツダのテイストで作り上げたのがユーノス・ロードスターだ。

 社内の有志によって試作車が作られた話は有名。フロントマスクは能面、シートのパターンは畳表など、日本の伝統的なものからインスパイアされている。

 エンジンはファミリアの1.6Lをリファインし縦置きとしているが、サスペンションはマツダ初の前後ダブルウイッシュボーンだ。

 このクルマがメルセデスベンツSLKに、あるいはポルシェボクスターに、大いに影響を与えた。

 初代が登場してから28年後の現在、いまもロードスターはマツダのシンボルであり続けている

ロードスター
ロードスター

◎ユーノス・ロードスター(5MT)テスト結果
0~400m加速 16秒37
0~1000m加速 30秒50
筑波サーキットラップタイム
1分16秒63

クリックすると、 徳大寺有恒氏の試乗記がまとめて読めます
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