全飼い主は要チェック 真夏を乗りきれペットとドライブ時の最注意点

 2020年6月14日に東北地方も梅雨入りしたが、夏を前にしてすでに日中の最高気温は30度を超える日もある。緊急事態宣言も解除され、これからドライブに行こうと計画している人もいるだろうが、その時に気になるのが熱中症だ。

 人間でも厳しい暑さだが、人間はまだ症状が出ていることを話すことができる。しかし、ペットはそうはいかない。きちんと予防するための対策が必要になるのだ。

 ペットを家族と思う人も多くいるが、そんなペットを快適にドライブに連れ出すために、車内外での暑さ対策についてモータージャーナリスト兼ドッグライフプロデューサーの青山尚暉氏に詳しく解説してもらう。

文/青山尚暉
写真/Adobe Stock(Anna Belova@Adobe Stock)、青山尚暉

【画像ギャラリー】ペットを快適に移動させられる後席分割&後席エアコン吹き出し口を備えた現行SUV


■犬との快適なお出かけはまずプランニングから

 緊急事態宣言、都道府県をまたぐ移動が解除され、これまで自粛していた、愛犬連れのドライブ旅行を計画している愛犬家も多いと思う。実際、ラブラドールレトリーバーとジャックラッセルと暮らすわが家でも、さっそく、自粛ストレス解消!? のためのドライブ旅行に出かけることになった。

 が、モータージャーナリスト兼ドッグライフプロデューサーとして活動しているボクの持論は、愛犬連れのドライブ旅行は気候の安定した春、秋、特例として、犬が大好きな雪を目指す冬のシーズンを薦めている。逆に言えば、夏は避けたほうがいい。犬は1年中、毛皮を着ていて、発汗を足の裏からしかできず、暑さや湿気が苦手。暑さによって熱中症にもなりやすく、それが命取りになる危険性さえあるのだから注意が必要だ。

 そこで、わが家も実践している、これからの季節、梅雨から真夏にかけての愛犬連れドライブの注意点を紹介したい。

 まずはプラニングが最重要。目的地が、別荘や実家を除く観光地の場合、できれば軽井沢に代表される、標高の高い、比較的涼しく湿度の低い避暑地がお薦めだ。

 2019年の真夏、東京の気温が34度の日でも、軽井沢は26度だったというデータがあり、なるほど、昔ほどは涼しくないものの、アスファルトジャングルの都会よりはずっと過ごしやすいのである。無論、灼熱の海辺などは、わが家は絶対に行かない。人間が、毛皮を着て真夏の海に行くなど、ありえないのと同じことだと思っている。

夏は犬とっては人間以上に暑い。出かけるのであれば、木陰の多く気温の低い避暑地がお薦めだ。人間は靴があるからわからないが、素足(肉球)で歩く犬には、真夏の65度近くにもなるアスファルトは厳禁だ

 目的地が高地、避暑地だとしても、都会からの移動では、道中はやはり暑い。もし、目的地が別荘、実家ならば、まだ涼しい早朝、夜に移動するといい。日差しがなく、車内温度がまるで違ってくる。

 では、目的地が観光地、愛犬同伴型リゾートホテルだとすれば、どうするか。早朝の出発なら、移動は快適だが、着いてからホテルのチェックインまでの時間、都会と比べれば涼しくても、犬にとっては春や秋とくらべ暑い環境の中、連れ歩くのはよくない。そこで、プラニングの重要性がポイントとなる。

 涼しいうちに現地についたあと、涼しい環境の場所や(軽井沢なら白糸の滝とか)、エアコンの効いた店内愛犬同伴OKのカフェやレストラン、施設をあらかじめピックアップしておけば(開店時間、定休日、店内OK、テラス席のみOKの確認を)、日中も安心である。安全に水遊びができる渓流や湖畔で遊ばせるのも、水を怖がらない犬なら適切だろう(犬用バスローブがあるとあとが楽)。

■飼い主が寒いくらいが適温 愛犬ファーストで車内温度を調整

 わが家には、自称自動車評論犬!? を名乗る、ラブラドールレトリーバーとジャックラッセルがいるが、長年のクルマの試乗体験から、暑い季節の移動に相応しいクルマの要件があったりする。

自称自動車評論犬!? の青山氏の愛犬、ラブラドールレトリーバーとジャックラッセル

 乗り降りしやすく、静かで、乗り心地がいい……のは当然として、車内の暑さ対策、熱中症対策として、後席エアコン吹き出し口は必須として、リヤサイドウインドーのサンシェードもあると、直射日光を和らげ、車内温度の上昇を防いでくれるとともに、犬がいやがる車外からの干渉を含め、理想的。これなら、日中の移動も可能になる(車内でお水が飲めるように工夫を)。

 ちなみに、犬を乗せる場所は、エアコンの冷風がしっかり届く後席限定だ。ボルボはセンターコンソール後端に加え、左右Bピラーにも、後席用エアコン吹き出し口があり、左右独立で温度調整もできたりするから、犬にとっては理想的な空調環境と言える(ブラインドの設定はないが)。

 また、エアコンの温度設定は、飼い主(人間)がちょっと肌寒く感じるぐらいが適切。もし、同伴の寒がりさんが「寒すぎる!」というなら、なぁに、羽織物を着用してもらえばいいだけだ。あくまで、愛犬ファーストの車内環境を厳守すべきである。

 もちろん、ドライブ中、愛犬の様子のチェックも欠かせない。息が荒い、鼻に白い粉がふく、目がうつろ……といった症状が出たら、涼しい場所に移動し、水分補給を。ドライブ旅行の行程にある動物病院をチェックしておくと、なにかあっても慌てずに済む。

 もし、後席エアコン吹き出し口のないクルマに乗っているなら、解決法は3つ。

[1]後席エアコン吹き出し口のあるクルマに至急、買い替える
[2]シガーソケットから電源が取れる車内用サーキュレーターや扇風機を用意し、車内の冷気を循環させる
[3]ミニバンなど、リヤエアコン/クーラー付きのレンタカーを手配する。

である。もっとも現実的なのは[2]だろうか(犬は聴覚に優れているので、静音設計のものを選びたい)。

■SA/PAではやけどや虫に注意 ちょっとした気配りで愛犬を守る

 遠路の移動なら、途中、高速道路のSA/PAに寄ることもあるはずだが、その際、路面が鉄板のように熱くなっていることを忘れずに。車外に出る際、小型犬なら抱くこともできるが、中大型犬だとそうはいかず、地面を歩かせることになる。が、犬は靴を履いていないから、肉球をやけどすることもありうるから危険だ。

 わが家が実践しているのは、あらかじめ、立ち寄るSA/PAを、緑地、ドッグランがあるところに設定。そして、なるべくアスファルトの上を歩かずに済む場所にクルマを止めるようにしている(あらかじめ駐車場内のドッグランの位置を確認して、駐車位置を決めることがポイント)。

 SA/PAでは、オーブンの中のような暑さでない限り、外の新鮮な空気を吸わせ、お散歩させ、排せつを済ませ、水分補給。携帯用の犬用水飲みグッズは必須である。

 夏と言えば、暑さとともにやっかいなのが、蚊などの害虫。首輪に装着するような防虫グッズもあるにはあるが、わが家の犬たちがお気に入りなのが、快適クール素材×防蚊加工が施されたドッグウエアの着用だ。DOG DEPT 2020年春夏新作のドッグウエアのなかには、吸熱・放熱効果によって、ひんやりと着用でき、虫が寄り付きにくくなる生地を使ったドッグウエアが勢ぞろい。わが家も何着か手に入れている。

さまざまな機能を備えたドッグウエアが販売されている。抜け毛の多い犬の場合、マナーでもあるので外出の際は用意しておきたい
夏は熱中症以外にも、蚊に刺されることで発症する犬フィラリア症にならないために、このような首輪に取り付けるタイプの虫除けなど対策をしておきたい

 ドライブ旅行先のカフェやレストラン、観光地、そして愛犬同伴型リゾートホテルでも、抜け毛の多いダブルコートの犬の場合は、ドッグウエアを着用するのがマナーでもあるので、一石二鳥というわけだ。

 では、犬が苦手な暑さ対策をしっかりしたうえで、この夏の思い出に残る、愛犬とのドライブ旅行を快適に、安全に楽しんでいただきたい。

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