梅雨時に要注意! トラックでも走れない冠水道路の危険と対処法

■冠水路の走り方、アンダーパスでの冠水に遭遇したらどうする?

 アンダーパスに遭遇して冠水している状態が見えたら、左に寄って止まる、左側もクルマが走っているなら、ハザードを出して後続車に注意して冠水している地点より前で止まることだ。

 後続車をせき止めてしまっても、この場合は仕方ない。もし冠水のレベルが低く、クルマが問題なく通行できる深さとわかったら、改めて通り抜ければいいのだ。とにかくアンダーパスの冠水はまず避けることを優先するべきだ。

アンダーパスに設置された排水ポンプの能力を超える大雨となった場合、クルマが水没する深さの冠水が発生する。人通りの少ない場所で水没した場合、救助が遅れることもある(Satoshi@Adobe Stock)
冠水の危険があるアンダーパスには、写真のような標識がある。大雨の時は、近道だからとアンダーパスを通らずに、遠回りでも違うルートを選びたい(sunftaka77@Adobe Stock)
冠水の危険があるアンダーパスには、写真のような標識がある。大雨の時は、近道だからとアンダーパスを通らずに、遠回りでも違うルートを選びたい(sunftaka77@Adobe Stock)

 SUVであれば悪路走破性が高いから、ミニバンやハッチバックに比べて冠水にも強いと思っているドライバーもいるだろうが、ジムニーやランドクルーザーなどのクロスカントリー4WDならともかく、FFベースのプラットフォームを使ったスタイリッシュなSUVは、車高が高くなった分だけ冠水に強くなった程度だと考えておいたほうがいい。

 一般的にクルマが問題なく冠水路を通過できるのはフロアパネルの高さまでと言われているから通常のクルマで30cm程度、SUVでも50から60cm程度だ。その程度でもマフラーの出口まで水に浸かってしまうと、エンジンを止めてしまうと再始動が難しくなるから、低いギアを選択して速度や周囲の状況に注意しながらゆっくり走行することだ。

 ちなみに河川や海に転落してしまっての水没では対処の仕方は異なる。水深が深い場合、クルマはエンジンをマウントしたフロントから沈んでいく。この場合、沈み始めた瞬間であればドアを開けて脱出することはできるようだが、一定以上沈むとドアは外からの水圧で開かなくなってしまうので、パワーウインドウが動けば窓を開けて脱出する。窓が開かなければガラス内側から先端の鋭いハンマーで割って脱出するしかない。

JAFのテスト動画。動画内の解説は英語だが、冠水路に水没した際の様子を360度カメラで撮影しており、水没時の危険性や対処法がよくわかる

 そういう転落の危険性がある地域を走るドライバーなら脱出用のハンマー(シートベルトカッターも一体化している)を車載しておくことだ。

 冠水したアンダーパスに誤って進入してしまった場合でも、すぐに停止して戻れるようなら戻ったほうがいい。「ひょっとしたら渡り切れるかも」と思ってそのまま進むのはリスクが高すぎる。たとえ渡り切れたとしても、エンジンルームや車内が浸水すれば、あとあとサビやカビ、悪臭などでトラブルの原因になることもある。

 それでも冠水が深く、エンジンが停止してしまったり、クルマが道路から浮いてしまったら、即座にシートベルトを外して窓を開け、クルマを捨てて脱出すること。躊躇している間に水位が上がって脱出不可能になってしまい、車内で亡くなってしまった例もある。

 水没車両より命のほうが大事なことは誰だってわかる。一瞬の判断が生死を分けることもあるのだから、迷っている場合ではないのだ。

【画像ギャラリー】命を守るために! 水害に遭遇したら覚えておくべき5つのこと

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