守るべきは「プライド」ではなく「ブランド」だ
これまでトヨタ販売店は4チャネルに分かれ、それぞれの専売車を持つことで、過当競争をせずに済んできた。しかし、併売となった今でも、トヨタ販売店にはまだ、併売前に他チャネルが扱っていたブランド車へ対しての苦手意識が強く残る。
特に、その意識はトヨタ店で顕著であり、元専売車に対し「(他チャネルで)売れるものなら売ってみろ!!」という、販売側の変なプライドとなっているように思える。上質なおもてなしと、既存顧客を大切にする心は依然として顧客に支持されているが、そのプライドは、売れ筋商品の販売を邪魔しているように感じる。
ブランド化した専売車たちは、チャネルが守るのではなく、トヨタ全体のブランドとして再構築すべきだ。
もしクルマが生活家電のように量販店で、一斉に取り扱われるようになったらどうなるだろうか。そこに販売側の変なプライドが入り込む隙間は無い。併売とはそういうことだ。
併売が始まってもなお、専売意識の抜けないトヨタディーラーに、今一度考えてもらいたい。良い食材は豊富にある、しかし料理をしなければ腐っていくだけだ。売り方にこだわるよりも、まずはしっかりと売ってみること。
日産、ホンダなどの国産他メーカーは、既に当たり前に併売を行い、フルラインナップを的確に料理している。販売の行きついた先に、新たなブランド価値が創造されると、筆者は考える。
コメント
コメントの使い方