スカイラインクーペ
21世紀になってスカイラインは4ドアセダンのイメージが強くなった。が、もっとも数が多く、ファンに愛されているのは2ドアのクーペだ。2代目スカイラインのときに登場し、3代目のハコスカからは主役を張るようになっている。
V35型スカイラインで消滅も噂されたが、2003年1月にVQ35DE型V型6気筒エンジンを積む350GTが送り出された。これはアメリカで好調な販売を記録していたインフィニティの「G35」クーペの日本仕様だ。
2007年に登場した12代目のV36型にも大人っぽい2ドアクーペが用意されている。V型6気筒エンジンは3.7Lに拡大され、可変バルブタイミング&リフト機構のVVELも採用し、痛快なレスポンスを実現した。マニュアルモード付き7速ATに加え、マニアックな6速MTも選択可能だ。
運転するのが楽しいし、デートにも最適な2ドアクーペだった。が、現行モデルにはクーペを設定していない。BMWやベンツなどのドイツ車にクーペを独占させるのはシャクだ。ぜひともクーペの復活を期待したい。
インプレッサスポーツワゴンSTI
1992年10月登場のインプレッサにはセダンとスポーツワゴンがある。その頂点に立つのが2LのEJ20型水平対向4気筒DOHCインタークーラー付きターボに4WDシステムを組み合わせたWRXだ。
STIは、このWRXをベースにした魅力的なコンプリートカーを送り出した。それが「WRX STI」で、セダンだけでなくスポーツワゴンにも用意されている。
新しいファン層を開拓することに成功したインプレッサは、2000年に第2世代にバトンタッチ。この2代目にも「WRX STI」が設定されている。
しかもSTIは正式なカタログモデルとなり、買いやすくなった。もちろん、スポーツワゴンでも「WRX STI」を選ぶことができる。
ただし、セダンのSTIはフェンダーを膨らませたワイドボディだが、スポーツワゴンの「WRX STI」は5ナンバー枠に収めた標準ボディだ。とはいえルーフエンドにスポイラーを装着し、17インチのワイドタイヤも履くから目立つ。
可変バルブタイミング機構を加えた2LのEJ20型水平対向4気筒DOHCターボは280ps/38.0kgmのスペックだ。
クロスレシオの5速MTを駆使すれば、痛快な加速を楽しめた。ターボでありながら7000回転まで実用になり、パンチの効いた加速を見せる。
路面に吸い付くような安心感のある走りを身につけ、スポーツABSとブレンボ製ブレーキを採用しているから制動能力も素晴らしい。
が、スポーツワゴンは2代目をもって消滅し、WRX STIも3代目では5ドアハッチバックをベースにする。今でも熱狂的なスバリストは粋なスポーツワゴンを好む人が多いと思うのだが‥。
マイクラC+C(マーチのオープン仕様)
日産のベーシックラインを受け持つマーチは、海外では「マイクラ」を名乗っている。
3代目となるマーチは2002年に登場。このK12型はキュートなデザインが魅力で、今も女性ファンに愛されている。ゴーン体制になったためにルノー製のBプラットフォームを採用し、電動4WDのe-4WDも登場。
2007年夏にはイギリスで生産しているクーペカブリオレのマイクラC+Cを1500台限定で発売した。
電動で開閉するガラストップはドイツの名門、カルマン社が手掛けたもので、開ければ開放感たっぷりのオープンカーに、ルーフを閉じれば快適なクーペに変身する。ルーフの開閉に要する時間はわずか22秒だった。
エンジンは欧州仕様に積まれている1.6Lの直列4気筒DOHCだ。トランスミッションは4速ATと5速MTを設定した。本革巻きステアリングやヒーター内蔵の本革コンビシート、サイドエアバッグなど、装備も充実している。
250万円に迫る価格だったし、輸入車だから入ってくる台数も限られたから1代限りで姿を消した。
だが、個性化が求められている今こそ欲しい粋なコンパクトカーだ。4人が乗れるオープンカーはとても魅力的だと思う。
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