新型カローラ登場から1年でもなぜ現役? 旧型が売り続けられる訳

カローラ販売の約半数を支える法人ユーザー

 そこでカローラの商品企画担当者に、法人ユーザーのボリュームについて尋ねた。

「カローラセダンの場合、法人のお客様比率は、3ナンバー車になった今でも約半数に達します。継続生産のカローラアクシオは、ほぼすべてが法人のお客様です」

 また、ワゴンのカローラツーリングも、約25%は法人のお客様が使われます。ワゴンは小さな荷物の運搬に便利で、商用車に比べると、商談のために長距離を移動する時でも疲れにくいです」

カローラツーリングを活用している約25%は、法人だという。小さな荷物の運搬にも使うことができ、長距離移動も疲れにくい理由もあり、ビジネスでも重宝される
カローラツーリングを活用している約25%は、法人だという。小さな荷物の運搬にも使うことができ、長距離移動も疲れにくい理由もあり、ビジネスでも重宝される

 つまり、カローラは、今も昔も個人ユーザーと併せて、ビジネスを支えるクルマでもあるわけだ。法人が機能の新しい3ナンバーサイズのカローラを買うことも多いが、一部は5ナンバー車が社内的な購入条件になる。そこでアクシオ&フィールダーも残した。

 ただし、アクシオ&フィールダーは、走行安定性、乗り心地、安全装備の設計などが古く、運転支援機能も採用されない。いつまでアクシオ&フィールダーを売り続けるのか。この点を販売店に尋ねた。

アクシオ&フィールダーはいつまで売り続ける?

「今のところメーカーから、アクシオ&フィールダーの生産を終了する話は聞いていません。法人のお客様が対象なので、定期的な乗り替えもあり、需要が安定しています。

 販売店としても失いたくないクルマです。売れ行きが大幅に下がったり、規制に抵触しない限り、生産を続けると思います」

顧客層が法人であるため、定期的な乗り替えもあり、需要が安定している点から、生産終了しないという。
顧客層が法人であるため、定期的な乗り替えもあり、需要が安定している点から、生産終了しないという。

 事情は分かるが、アクシオ&フィールダーは前述のとおり設計が古い。特に安全面で遅れが見られるため、5ナンバー車を求めるユーザーでも、アクシオ&フィールダーは推奨できない。

 カローラセダン&ツーリングも、今のセダンとワゴンではコンパクトな部類に入るので、可能な限りこれを選ぶのが良い。5ナンバー車にこだわるなら、後席と荷室は狭いものの、安全装備を大幅に充実させたヤリスを推奨する。

 今の状況を考えると、カローラアクシオ&フィールダーの後継になる5ナンバーサイズの新しいセダン&ワゴンが欲しい。

 ヤリスと基本的な機能を共用しながら、ホイールベース(前後輪の間隔)は50mm伸ばして、アクシオ&フィールダーと同じ2600mmに設定する。この拡大分を後席の足元空間に充当すれば、5ナンバーサイズの魅力的なセダン&ワゴンを開発できるだろう。

 せめて、セダンだけでも造れば、カローラアクシオ、プレミオ&アリオンのユーザーを引き継げる。

カローラアクシオとフィールダーは設計が古く、安全面に不安要素がある。ヤリスの基本的な機能を共用しつつ、5ナンバーサイズの魅力的なセダン&ワゴンが生産されるだろうか

 トヨタは長年にわたり、5ナンバーサイズのセダンを定期的かつ大量に購入する日本のユーザーに育てられた。かつてのヴィッツをベースにしたセダンのプラッツとベルタは、5ナンバーサイズのカローラセダンと一緒に売られたから売れ行きは伸び悩んだが、今は状況が違う。

 ラティオやグレイスも廃止され、輸入車にも皆無だから、5ナンバーサイズのセダンは前述のカローラアクシオ、プレミオ、アリオンだけだ。

 今はSUVでもコンパクトな車種が人気だから、5ナンバーサイズのセダンにも意欲を見せてほしい。

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