GT-Rあるのに…? 日産がフェアレディZにこだわり続ける理由と信念

GT-Rあるのに…? 日産がフェアレディZにこだわり続ける理由と信念

 現行の6代目フェアレディZ(Z34)は、2008年に前型からのフルモデルチェンジを受けて誕生し、12年目となる。

 日産自動車の高性能車としては、ほかにR35ニッサンGT-Rが2007年に誕生した。今年9月にZのほうはプロトタイプが公開され、1年古いGT-Rより先にZはモデルチェンジをすることになりそうだ。

 なぜ、Zが先に次世代を迎えるのだろうか。

文/御堀直嗣、写真/日産、ポルシェ

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GT-Rはまさに「技術の日産」の象徴

「技術の日産」を企業の基盤と位置付ける日産にとって、GT-Rがその象徴といえるだろう。世界で覇を競える超高性能車として開発された(写真:GT-R2020年モデル)
「技術の日産」を企業の基盤と位置付ける日産にとって、GT-Rがその象徴といえるだろう。世界で覇を競える超高性能車として開発された(写真:GT-R2020年モデル)

 「技術の日産」を企業の基盤と位置付ける日産にとって、現在のGT-Rはまさにその象徴といえる高性能車だ。

 ことに、前型からR35となる際に、スカイラインGT-Rから日産GT-Rとして世界へ販売することを前提に、ドイツのポルシェなどを視野に入れながら世界で覇を競える超高性能車に位置づけられた。

 そして、「時速300kmでも普通に会話のできる」グランドツーリングカーを目指し、実際にドイツのアウトバーンで時速300kmを達成して見せた。

 そのように、R35GT-Rは、かつての量産市販車スカイラインの高性能版ではなく、一点モノの特別車両として開発された。シャシーも駆動系も車体も、すべての要素が専用になる。

 その開発費は、カルロス・ゴーン元社長の後ろ盾があればこそ許されたものであり、発売当初から700万円を超える価格で販売された。

ポルシェタイカンは、ポルシェ初の量産電気スポーツカーである。次期GT-Rは、タイカン以上の異次元の走行性能を追求せざるを得ないだろう
ポルシェタイカンは、ポルシェ初の量産電気スポーツカーである。次期GT-Rは、タイカン以上の異次元の走行性能を追求せざるを得ないだろう

 ポルシェのようなスポーツカーメーカーではなく、小型車から上級乗用車まで幅広く新車販売を行う総合自動車メーカーとしては、よほどの理由がなければ容易にモデルチェンジできる車種とはいいがたい。

 また、「技術の日産」を象徴する車種であるならば、次期GT-Rは、ポルシェが電気自動車(EV)のタイカンを売り出したことからすれば、EVと4輪駆動を駆使した異次元の走行性能を追求せざるを得ないだろう。

そうした諸元が次世代グランド・ツーリングを指し示すことになるからだ。

次ページは : クルマを楽しめることを目指したフェアレディZ

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