フィアット500に観音開き追加!? 独創的なドアを持つ個性派車

■フリースタイルドア/マツダMX-30

マツダ MX-30の観音開きドアはフリースタイルドアと名付けられている
マツダ MX-30の観音開きドアはフリースタイルドアと名付けられている

 マツダの新型SUV「MX-30」には、「フリースタイルドア」と呼ぶ観音開きドアが採用されている。最後のロータリー車となった4ドアスポーツクーペ「RX-8」での開発技術を活用し、生まれたものだ。

 2ドアスタイルながら、後席側にサブドアを設けることで、アクセス性を高めたもの。ドア全開時に開口部が大きく取れるが、後席側のサブドアのみの開閉は不可。

 これはBピラーレス構造と高いボディ剛性を両立するために、後席側のサブドア内部にBピラーに相当する強化部材とボディとの強固な接続部を備えるため。この仕組みはRX-8も同様だ。

■ミラクルオープンドア/ダイハツ タント

助手席の最大開口幅は1.5メートルに迫る。まさにミラクルだ
助手席の最大開口幅は1.5メートルに迫る。まさにミラクルだ

 子育てママに絶大な人気を誇る、ダイハツの軽スーパーハイトワゴン「タント」の武器が、助手席側ピラーレス構造による大開口ドア「ミラクルオープンドア」の存在だ。

 助手席の最大開口幅は、なんと1490mmにもなる。大きな荷物も楽々と収納できるのは、もちろんだが、足元のステップや補助グリップを追加することで、高齢者でも安心して乗降できるように設計されており、福祉車両としても活用できるメリットも持つ。

 ピラーレス構造だが、後席スライドドアだけの開閉も可能。スポーツカーやSUVのようなスポーティな走りは求められないので、Bピラーに相当する補強を前後ドア内部構造に組み込むことで安全性と利便性を両立させている。ホンダの軽商用車「N-VAN」も同様のドア機構を備えている。

■2ドア+大型スライドドア/トヨタ ポルテ&スペイド

助手席側を1枚の大型スライドドアとしたトヨタ ポルテ/スペイド
助手席側を1枚の大型スライドドアとしたトヨタ ポルテ/スペイド

 コンパクトカーとワゴン車の良いとこ取りを狙ったのが、トヨタの「ポルテ/スペイド」だ。ずんぐりむっくりのスタイルも個性的だが、ドアのデザインはもっとユニーク。

 運転席側は前後独立のヒンジドアが備わるが、助手席側は大型のスライドドアがひとつ。後席は固定式だが、助手席にロングスライド機構を設けることで、ワゴン的な使い方も可能。なんとキャビン内部に26インチの自転車を積むことが出来るほどだ。

 助手席側がスライドドアなので、子供が乗降時にドアを他車にぶつける心配がないのもメリット。またスライドドアは電動式なので、抱えた子供ままでも開閉ができるのも便利だ。

■ワクワクゲート/ホンダ ステップワゴン

ホンダ ステップワゴンのワクワクゲート。まるで勝手口のような使い方ができる
ホンダ ステップワゴンのワクワクゲート。まるで勝手口のような使い方ができる

 ミニバンのテールゲートは、大きな荷物を積みこむ時こそ役に立つが、狭い場所では弱点にもなる。また小柄な女性や子供が開閉に苦労することも……。

 その難題を解決してしまったのが、「ワクワクゲート」だ。テールゲートの約半分が横に開くサブドアで、後方のスペースの限られる駐車場でもラゲッジにアクセス可能。部分的な開口といえば、ガラスハッチ付きのテールゲートもあるが、開口位置が高く、重いものの出し入れは大変だし、そもそも床面近くには手が届きにくい。

 その点、ワクワクゲートは開口部の高さは、テールゲートと変わらず、便利。3列目シートの折り畳み機構が簡単なこともあり、ワクワクゲートからの3列目シートへの乗降も楽々できる。

 ただ、ワクワクゲートのぶん、リアゲートがやや重くなるのはご愛敬。使ってみると、想像以上に使い勝手が良く、まさに画期的な発明といえるだろう。

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