エンジン車全廃へ秒読み開始 世界で広がるエンジン車排斥でどうなるクルマ社会

日本では2035年にはエンジン車が乗れなくなる!

2021年中頃に発売予定のEV、日産アリア
2021年中頃に発売予定のEV、日産アリア


■世界各国のガソリン車、ディーゼル車禁止の動き
・ノルウェー/2025年、ガソリン車、ディーゼル車の販売禁止
・デンマーク/2030年、ガソリン車、ディーゼル車の販売禁止
・スウェーデン/2030年、ガソリン車、ディーゼル車の販売禁止
・オランダ/2030年、ガソリン車、ディーゼル車の販売禁止
・ドイツ/2030年、ガソリン車、ディーゼル車の販売禁止
・フランス/2040年、ガソリン車、ディーゼル車の販売禁止
・イギリス/2030年、ガソリン車、ディーゼル車の販売禁止、HV車は2035年販売禁止
・スペイン/2040年、ガソリン車、ディーゼル車の販売禁止
・アイルランド/2030年、ガソリン車、ディーゼル車の販売禁止
・アイスランド/2030年、ガソリン車、ディーゼル車の販売禁止
・アメリカ・カリフォルニア州/2035年、ガソリン車、ディーゼル車の販売禁止

 今後、新型コロナ禍より大きい「異変」があると思えないため、エンジン車全廃へのカウントダウンは粛々と進んでいくことだろう。以下、最新の状況をレポートしてみたい。

 まず、日本。菅義偉首相の宣言通り、2050年に少なくとも自家用自動車はカーボンニュートラルを目指すと思う。前述の通り、2035年時点で事実上エンジン車の販売停止ということです。

 可能かどうかを技術的に検証すると、十分対応できる。おそらく2021年に発売される日産アリアから車両価格+エネルギーコストがエンジン車と同等になるのか。

 いや、そんなレベルじゃない。500万円程度という予価を考えれば、同じサイズのハイブリッド車と同等になると思う。

 5年もしないうち、電気自動車はハイブリッド車と同じくらいのコストで乗れるようになること間違いない。

 10年後の2030年時点で少なくともハイブリッドを含めエンジン積んでいるモデルは”ほぼ”ないと予想しておく。

 ヨーロッパはどうか? エンジン車販売禁止措置の施行トップバッターになるのが、ノルウェーの2025年。

 凄く早いと思うだろうけれど、驚くことに2019年の電気自動車比率を見ると、もはや42.4%に達している。2018年が31.2%だったことを考えれば、5年で全廃になることも十分可能だと考えてよいだろう。

 続いて2030年になるとドイツやオランダ、スウェーデンでエンジン車全廃が始まる。前出イギリスは普通エンジン車を2030年。ハイブリッド車も2035年で販売禁止。

 2040年にフランスやスペインなど加わり、ほぼEUすべての国でハイブリッド車を含むエンジン車は販売できなくなると思っていい。電気自動車へバトンタッチですね。

 世界最大の自動車販売台数となった中国は、2035年に全販売台数の半分を電気自動車に、残る半分がハイブリッド車ということになっている。民主主義国家と違い政府主導で方針設定できるため、みなさん守ると思います。

 つまり、2035年の自動車販売台数を3000万台とすれば1500万台が電気自動車という途方もない規模のバッテリー市場誕生を意味します。

 中国に次ぐ自動車販売台数のアメリカもバイデン大統領になると環境対応をキッチリ始めるに違いない。

 すでにカリフォルニア州は2035年にエンジン車の販売禁止を打ち出しており、世界の流れと合っていることから正式発効になると考えてよかろう。

 当然ながらカリフォルニア州に限らず、環境意識の高い東海岸と西海岸の州はエンジン車販売禁止に動くハズ。

 ということで、2040年時点でエンジン車を販売できるのは、アマゾンという巨大な二酸化炭素吸収源を持つブラジルや経済的な理由でエンジン車しか選択の余地がないような発展途上国くらいになると思う。

 先進国でエンジン車を動かそうとすれば、使ったぶんの二酸化炭素を吸収するためのコストを含んだ高価なガソリンを買うことになる。

 読んでいて信じられないかもしれないが、残念なことにエンジン車を日常的に乗れる日々は、せいぜい今から20年。今のうちに乗っておく、というチョイスもあるかもしれません。

純ガソリン車の新車を販売しない時代がもうすぐやってくる。早めに乗っておきたい
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