エンジン車全廃へ秒読み開始 世界で広がるエンジン車排斥でどうなるクルマ社会

自動車メーカーの動きは?

ボルボカージャパンは2020年8月25日、日本で販売するボルボのすべてのラインナップを電動車、マイルドハイブリッド車もしくはPHVとすることを発表している
ボルボカージャパンは2020年8月25日、日本で販売するボルボのすべてのラインナップを電動車、マイルドハイブリッド車もしくはPHVとすることを発表している

文/ベストカーweb編集部

 最後に、自動車メーカーの動きはどうなっているのか紹介しておきたい。欧州連合は2021年の燃費規制を強化。欧州で販売するメーカー平均で、走行1kmあたりの二酸化炭素(CO2)排出量を95g/km以下に抑える必要があるというものだ。

 これはCAFE(Corporate Average Fuel Economy)、企業平均燃費とも呼ばれ、自動車メーカーが販売する全モデルの平均燃費を定めて基準を算出し、規制は車種別ではなくメーカー全体を対象としている。達成できなければ高額な罰金の支払いもあるため、国内、欧州自動車メーカー問わず対応に乗り出している。

 近年、欧州自動車メーカーの間でプラグインハイブリッド車(PHV)や電気自動車(EV)を導入する動きが活発になっているのは、このCO2規制へ向けた対応なのだ。前述したガソリン車、ディーゼル車禁止の動きとは別の動きということだ。

 ボルボは2019年以降、ジャガーランドローバーは2020年以降、新規で販売するすべての車種をEVやPHVなど電動化モデルすると発表。

 ボルボカージャパンは早くも2020年8月25日、日本で販売するボルボ車のすべてを電動車、つまりマイルドハイブリッド車もしくはPHVとすることを発表した。

 VWは2018年9月にEV専用プラットフォーム、モジュラー・エレクトリックドライブ・マトリックス(MEB)を初公開、EV化に特化したサブブランド、ID.を展開している。セダンのID.3はすでに欧州で販売され、続いて2020年9月にはSUVのID.4を発表した。

 VWは2025年までに100万台のEVを生産し、将来的にはグループ全体で1000万台のEVを生産するとしている。日本でのID.ブランドの展開は2022年以降を予定している。

 メルセデスベンツは電動車に特化したサブブランド、EQを立ち上げ、2022年までにEVを10車種以上導入し、2033年にはEVとPHVの比率を50%にするとしている。

 2019年8月に日本導入されたEQCをはじめ、EQV(Vクラス)、EQA(GLA)、EQS(Sクラス)などEQモデルを続々と登場させる予定だ。

 BMWは2011年にEV専用のiブランドを展開。今後、iX3をはじめとして、iXやi4など、2025年までにEVを12車種、PHVを含めると25車種を投入する予定。

 また、BMWは2030年までに700万台以上の電動車(EV、PHV)を販売する新たな計画を発表、700万台の3分の2(約470万台)をEVとすることを目標に掲げている。

※電動車=電気自動車(EV)ではなく、電動車とはハイブリッド車(HV)、プラグインハイブリッド車(PHV)、電気自動車(EV)、燃料電池自動車(FCV)を指す。

トヨタが2017年12月に発表した電動車普及のマイルストーン(出典:トヨタ)
トヨタが2017年12月に発表した電動車普及のマイルストーン(出典:トヨタ)

 トヨタは2017年12月に掲げた「2030年に向けた電動化戦略」では、2020年にEVを本格的に展開し、中国を皮切りにトヨタ、レクサスの両ブランドを日本、インド、米国、欧州に市場投入。

 2020年代前半には10種類以上のEVを導入し、2025年頃までに販売する全車種に電動車をグレード展開、グローバルで販売する全車種を電動専用車もしくは電動グレード設定車とする。これにより、エンジン車のみの車種はなくなる。

 2030年にはトヨタで新車販売するクルマの50%以上を電動車(HV、PHV、EV、FCV)として、そのうち10%以上はEVやFCVにする計画とした。

 2019年6月7日、「EVの普及を目指して」と題した電動化戦略の発表会では、電動車を世界で550万台以上販売し、そのうちEVと燃料電池車を100万台以上とするという、前述の2017年に掲げた目標の達成時期を2030年から2025年に早めている。

 日産は2020年5月、中期経営計画を発表。そのなかで今後18ヵ月の間に12の新型車を投入し、2023年度末までに、新たにEV2車種とe-POWER搭載車両 4車種を追加するとしている。

 ホンダは、2030年をめどに世界販売台数の3分の2を電動車とする計画(EV +FCVで15%、HEV+PHEVで50%)。

 欧州では2022年までに販売するすべての車両を電動化、中国市場には2025年までに20機種以上の電動車モデルを投入すると発表している。

 また、2020年4月に発表されたGMとのEVプラットフォームを共用したEVモデルの新開発にも注目が集まる。2024年モデルイヤーとして、2モデルを米国、カナダに投入することを明らかにしている。

 マツダは2030年に生産するすべての車両に電動化技術を搭載すると発表した。さらにロータリーエンジンを発電用に使うEVを2022年前半から順次市場に投入していくという。

 スバルは2030年に生産するすべての車両に電動化技術を搭載すると発表した。

 また、スバルはトヨタと2019年6月、中、大型乗用車向けのEV専用プラットフォームおよびEVのCセグメントのSUVの共同開発することを発表。

 このトヨタとの共同開発車のEVを2020年代前半に投入し、トヨタのTHSを搭載したストロングハイブリッド車を2020年代半ばに登場させるという。

 今後、各自動車メーカーのEVシフトが加速していきそうだ。動向から目が離せない。

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