故障など、やむを得ない場合は免許がなくても
ただし例外として、故障車を運ぶ際など、やむを得ない場合には、けん引免許がなくともけん引することができます。例えば、友人のクルマが故障してしまい、自走ができなくなってしまったときに、自身の車を使って故障車をけん引することができます。
車輪を上げずにけん引する場合には、けん引車と故障車の車間を「5m以内」で保てるように、頑丈なロープなどで2台を繋ぎ、そのロープに「0.3m平方以上の白い布」を付ける、ということが決められています。また、故障車側に乗る運転者も、その故障車を運転できる免許が必要です。
ちなみに、大型・大型特殊・中型・普通自動車で牽引できるのは2台まで、大型・普通自動二輪車と小型特殊自動車では1台までです。
けん引する側よりも、けん引される側の方が難しい
各人がスマホを持ち、よっぽどの僻地でない限り、どこでも数十分以内でロードサービスが到着してくれるありがたい国にいるのに、慣れていない人が、けん引を自力でやってやろう、とは考えない方が良いとは思いますが、万が一の想定外の事態に遭遇し、やむを得ず自力で行う場合には、正しい道具とコツが必要です。
けん引専用のロープを使い、クルマの前後にあるけん引用のフックを利用して行うのが大前提。なかでも、故障車のけん引には、伸縮タイプがおすすめです。停車状態から発進する際、ロープへかかる瞬間の衝撃はすさまじいものです。専用外のロープを使うと、たるんだロープが伸びきったときに切れ、その切れたロープが当たって、クルマにダメージを与えてしまうことも考えられます。
そして、けん引する側よりも、運転操作がより難しいのは、けん引される側のクルマです。けん引する側のクルマは、ゆっくりと丁寧な発進を心掛け、けん引される側は、ブレーキ操作を丁寧に行ってロープのたるみをなくすような運転操作が必要です。
けん引ロープに記載されている耐荷重は、あくまで、定常走行時の耐荷重と考えた方がよく、けん引されているクルマがブレーキをかけて引っ張っても動かない状態など、過度な荷重がかかっても、大丈夫なわけではありません。
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ネットで検索すれば、耐荷重3tのけん引ロープ(白旗付き)が1,000円台からあります。けん引ロープを使うのは、一生に一度、あるかないかだとは思いますが(願望含む)、「備えあれば患いなし」 「転ばぬ先の杖」ともいうように、用心に越したことはありません。ぜひ「一台に一本」、積んでおくことをおすすめします。
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