■今後の電動化戦略の舵をどう取る!? 日産の動向を読む
さて、新型ノートは、日本以外にタイとインドでも販売される。また、e-POWERの機能は、中国や欧州の市場へも展開される予定であるという。
中国は、EVも含め電動化は必須であり、欧州では二酸化炭素(CO2)排出量規制が強化され、現実的にエンジン車のままでは、小型車といえども基準の達成は難しい。EVの普及を薦めながら、ハイブリッドなど電動化された新車を次々に投入しなければ、クレジットと呼ばれる反則金を支払わなければならないのである。
ホンダも、『新型フィット』について欧州では「e:HEV」と呼ぶハイブリッド車しか販売しない。国内にはガソリンの選択肢があるが、それではCO2規制に対処できないからだ。
ここにきて、英国では2030年から、米国カリフォルニア州では2035年からエンジン車の販売が禁止されることになった。フランスも2040年にはエンジン車の販売を禁止する予定だ。
日産は、リーフでEV販売の先陣を三菱自とともに切り、リーフは2代目へ進化し、そしてリーフで培われた電気駆動技術からe-POWERを生み出し、消費者に歓迎された。
星野朝子副社長は「日産自動車はゼロエミッションを牽引するというビジョンがある。電動化に集中し、その象徴となるのがe-POWERであり、e-POWERのみでの新型ノートの販売を成功させ、低炭素社会にこれからも貢献していく」と、意気込みを語った。
単にエコというだけでなく、安全にも自動運転の未来へも適したモーター駆動の先駆者として、日産は大きく舵を切ったといえるだろう。
コメント
コメントの使い方