■さっそく中古車が出回り始めた理由とは?
「新車の販売会社から卸した車両を並べています。ヤリスクロスの受注開始直後に、注文を入れた車両です」
「ヤリスクロスは納期が長いので、即座に購入したいお客様は、このような実質的に未使用の中古車を検討されます」
「またヤリスクロスのような新型車を店頭に並べておくと、お客様の注目度も高まります。新型車も買える中古車店という意味で、店舗のイメージアップにも繋がります」
ヤリスクロスの登録済み未使用中古車には、新車の販売店で買うのに比べると、納期を約半年間短縮できるメリットがあるわけだ。例えば2020年12月下旬に愛車の車検期間が満了するユーザーは、新車の販売店でヤリスクロスを買うと、約半年間のために車検を取ったりする必要が生じる。
しかし登録済み未使用中古車を購入すれば、12月中に納車されるから、愛車の車検を取る必要はない。今まで使ってきた愛車は、その中古車店に下取りさせれば、車検を取り直す費用や手間を省ける。
つまりヤリスクロスの納期を短く抑える必要のあるユーザーには、登録済み未使用中古車を選ぶメリットが生じる。中古車販売店でもこの事情を認識しているから、ヤリスクロスの中古車はあまり安くない。
また実質的に未使用でも一度登録された中古車だから、3年間/6万kmといった新車保証を受けるには、「保証継承」の手続きが必要になる。このほか法定外諸費用なども、新車ディーラーと中古車販売店では異なる。
従って登録済み未使用中古車を購入する時には、すべての出費が記載された見積書を入手して、新車の販売店と比較検討してから判断したい。
特にローンを使う時は注意が必要だ。金利には差があり、新車の販売店であれば、月々の返済額を抑えられる残価設定ローンも利用できる。販売促進のために、残価設定を中心として、新車販売店で使えるローン金利は安い。
新車の購入に比べると、中古車のローン金利は概して高い。そこで新車と中古車の両方で使える銀行や信用金庫のマイカーローンを利用する方法もある。銀行や信用金庫は審査が厳しい場合もあるが、金利を中古車販売店と比べると概して安い。
■年末年始に中古で買う場合は年式に注意
年末/年始に購入する時は、年式にも注意したい。例えば2021年に入ってから登録済み未使用中古車を購入した場合でも、その車両が新車登録された年月は、2020年になっていることがある。
長く使うなら問題ないが、例えば2023年に売却するとなれば、2020年式と2021年式では売却額に大きな差が生じる。クルマの査定には年式が影響するからだ。登録済み未使用中古車を買う時も、登録年月が前年になっていないか注意したい。
同様のことは年末のボーナスフェアにも当てはまる。購入して短期間で売却するなら、2020年12月に買う(登録や届け出を行う)より、値引きが多少減っても2021年に購入して、高い金額で売却した方が最終的にトクすることもある。
このように考えると、結局は最も条件の良い3月決算フェア(最近は1月下旬から決算商談を開始している)で買うことになるのだ。
以上のように一般的な損得勘定でいえば、ヤリスクロスは新車の販売店で買うのが良い。特に残価設定ローンを使う場合、ヤリスクロスは契約期間満了時の残価率(新車価格に占める残存価値の割合)を高く設定しているから、月々の返済額を少なく抑えられる。
例えばヤリスとヤリスクロスで残価設定ローンの見積りを比べると、価格はヤリスクロスが高いのに、月々の返済額は、残価の違いによってヤリスよりも安くなる場合がある(ヤリスに装備を加えて価格差が近付いた時など)。こういったメリットが得られるのも、新車販売店の特徴だ。
その代わり新車販売店でヤリスクロスを買うと、納期が約半年と長い。この短縮をねらうなら、登録済み未使用中古車を検討する方法もある。
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