ホンダ シャトルなぜ堅調? 地味ながら光る希少価値と実力


 SUVとミニバンの台頭もあり、日本車のステーションワゴンがめっきり減少しているなか、ホンダ シャトルは地味な存在ながら登場6年目に入った2020年も、月平均約1500台という堅調な販売をキープしている。

 本稿ではシビックシャトルに端を発した同車の軌跡を振り返りながら、シャトルが堅調な販売をキープしている理由を考察してみたい。

文/永田恵一、写真/HONDA、茂呂幸正

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■シビックシャトルのヒットが端緒!

登場6年目となる昨年2020年も月平均約1500台という堅調な販売をキープしているホンダ シャトル

 「シャトル」という車名がはじめて使われたのは、1983年登場の“ワンダーシビック”3代目シビックのステーションワゴンだった。

 3代目シビック自体が新鮮さを感じるクルマだったことに加え、初代シビックシャトルは大きなガラス面積による開放感溢れるキャビン、前後シートをつなげることによるフルフラット機能やリアシートのリクライニング機構に代表される豊富なシートアレンジといった新しさ、雰囲気の良さを理由に人気車となった。

 シビックシャトルは、“グランドシビック”と呼ばれた4代目シビックが登場した1987年に、2代目モデルにフルモデルチェンジ。

 2代目シビックシャトルは、初代モデルから正常進化したのだが、初代ほどのインパクトがなかったせいか全体的に印象が薄く、シビックファミリーが5代目になっても継続販売された。

 ただ、2代目シビックシャトルのモデルサイクル後半から日本でステーションワゴンブームが始まったこともあり、モデルサイクル後半になって販売が盛り返した点は救いだった。

 最終的にシビックシャトルは1996年登場の6代目シビックファミリーのステーションワゴンであるオルティアを後継車に絶版となった。

■エアウェイブの登場とシャトルの「復活」

現在のフィットのルーツといってもいいホンダ エアウェイブ

 オルティアは2002年まで販売され、2005年にオルティアの実質的な後継車として初代フィットファミリーのステーションワゴンとなるエアウェイブが登場した。

 エアウェイブは、2011年6月に2代目フィットのステーションワゴン版「フィットシャトル」に移行し、この時にシャトルの車名が復活した。

 フィットシャトルは、広さに定評ある2代目フィットベースだけに、特にボディ後半の延長ぶんでラゲッジスペースが広大な点が大きな特徴。パワートレーンは1.5Lガソリンと1.3Lガソリンに小型モーターを組み合わせた「IMA」と呼ばれるハイブリッドの2つを設定していた。

 そして、2015年5月に3代目フィットベースにすると同時に、車名をシャトルに変える形で現行型にフルモデルチェンジ。

 現行型のシャトルも、「フィットベースのラゲッジスペースが広大な、5ナンバーサイズのコンパクトステーションワゴン」ということはエアウェイブから変わっていない。

 しかし、シャトルは一部グレードが使う遮音フロントガラス、吸音アンダーカバー、手触りのいいシート表皮の採用などにより、上質なクルマに仕上がっている点が特徴だ。

 パワートレーンは売れ筋となる1.5Lガソリンエンジン+1モーターに7速DCTを介したハイブリッドと、CVTと組み合わされる1.5Lガソリンの2つを設定する。

 シャトルは登場後2019年5月に内外装の変更を中心としたマイナーチェンジを受けているが、現在まで大きな変更はなく販売されている。

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