すでにトヨタ、ホンダの名門車は生産終了が決定。今年消えゆく車は?
2021年に生産が終了しそうなクルマは、トヨタを筆頭にホンダ、日産、マツダ、三菱自動車などがある。
このうちメーカーが正式に発表しているのは、トヨタがプレミオ、アリオン、プリウスα、ホンダが軽自動車のアクティトラックなどである。
プレミオ、アリオン、プリウスαは今年3月の生産中止と発表しているが、販売店に問い合わせるとすでに2019年末で生産は終了し、購入がほとんどできない状況にある。
文/遠藤徹、写真/トヨタ、ホンダ、日産、三菱
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トヨタは3車種以外にもエスクァイアやヴェルファイアに消滅の可能性
トヨタは、2025年までに2018年時点で約60車種あった国内向けモデルを半分の約30車種に削減することを明らかにし、以降機会あるごとに廃止モデルを増やしている。
2021年に生産中止しそうなモデルは前述3車種のほか、ヴォクシー/エスクァイア、ヴェルファイア、カローラ・アクシオ、カローラ・フィールダーなどがある。
ノア/ヴォクシー/エスクァイアは、2021年末あたりにフルモデルチェンジする。この際にノアに1本化するので、ヴォクシー/エスクァイアはモデル廃止となる。
現行3兄弟の中ではヴォクシーの売れ行きが最も多いので、フルモデルチェンジ後も残すべきとの販売店サイドの要望があるようだが、兄弟車については先に発売したモデルを残し、後に派生させたモデルは廃止とする基本的な考え方があるようだ。
ただし、最も売れ行きの良いヴォクシーは、外観が若者受けのするデザインが受けているという状況もあるので、こうした仕立ては次期型の3ナンバーサイズであるエアロバージョンのフロントマスクで継続されるという手法でラインナップを構成するようである。
アルファード/ヴェルファイアは、現行モデルでアルファードの売れ行きが絶好調でヴェルファイアは大幅な減少と明暗を分けている。
こちらはアルファードに1本化し、ヴェルファイアを廃止することが濃厚になっている。世代交代するのは2022年中盤あたりのフルモデルチェンジが有力になっている。
ただ、現行での両モデル極端な売れ行きの差が今後さらに鮮明になれば、フルモデルチェンジを待たずに2021年中にもヴェルファイアのモデル廃止が断行される可能性がある。
カローラアクシオ/カローラフィールダーは、カローラが2019年9月17日にフルモデルチェンジし、3ナンバーサイズ化した時点で「5ナンバーのアクシオ/フィールダーは法人需要があるので1.5Lガソリンエンジン&ハイブリッドについて1年間に限定し、生産販売を継続させる」という方針だった。
ところが実際は2021年1月現在でも引き続き販売している。1年延ばし2021年中にはモデル廃止を断行する見通しである。
このほかSUVのC-HRは販売が半減状況にある。今夏に同クラスの新型カローラクロスが発売になればさらに売れ行きがダウンするのは必至であるから、これを機にモデル廃止に踏み切る可能性がある。
ホンダは軽トラ「アクティトラック」を4月に生産中止
ホンダは、商用車のアクティトラックの生産中止を4月に実施すると、すでに傘下販売店のホンダカーズ各社に伝えている。台あたり7万円程度の赤字が発生しており、これ以上耐えられないとの判断によるもの。
商店街や農村地域での需要があり、ユーザーにとっては不可欠なわけだが、それでも断行を決断した。
普通であれば他社からのOEM供給車でカバーしたいところで、ホンダはそれも検討したが、最終的にはOEM供給を受けないというポリシーがあり見送ったようである。
このほか2020年にはシビックセダン、グレイス、N-BOXスラッシュなどを生産中止しており、乗用車はほぼ片が付いた状況にある。