ホンダ シャトルなぜ堅調? 地味ながら光る希少価値と実力

■シャトルはなぜ堅調に売れる?

●実質的に唯一の5ナンバーサイズのステーションワゴンだから

実質唯一の5ナンバーサイズのステーションワゴンといっていいシャトルが選ばれるのはある意味当然ともいえる
実質唯一の5ナンバーサイズのステーションワゴンといっていいシャトルが選ばれるのはある意味当然ともいえる

 現在も5ナンバーサイズのステーションワゴンとして、トヨタ カローラフィールダーが販売されている。

 しかし、カローラが2019年に3ナンバーボディの新型を中心としたラインナップに移行して以来、カローラフィールダーは法人ユースを中心にしたパワートレーンのバリエーションがあるだけのワングレードに近い状態だ。

 この状況下であれば5ナンバーサイズのステーションワゴンを検討したユーザーが、カローラフィールダーに比べ、登場も新しいシャトルを選ぶことが多いのは当然だろう。

●ボディサイズの割に広く、使い勝手も良好

広く使い勝手のよいラゲッジスペース
広く使い勝手のよいラゲッジスペース

 フィットベースだけにシャトルのキャビンスペースは、コンパクトステーションワゴンながらミドルクラスのステーションワゴンに匹敵し、ラゲッジスペースもミドルクラス以上の570L+かなりの広さがあるアンダーボックスも備える。

 さらにシートアレンジもフィット譲りの後席座面を跳ね上げられるトールモードを持つなど豊富なうえに、ラゲッジスペース開口部までの高さがFF車で54cmと非常に低いことも使い勝手の良さを際立てている。

●走りもよくまとまっている

自然でまとまりのよいドライビングが楽しめる
自然でまとまりのよいドライビングが楽しめる

 売れ筋となっているハイブリッドはかなり改善されたもののフィーリングにクセがあるのは否めないが、1.5Lガソリンは目立たないながらごく自然で好印象だ。ハンドリングや乗り心地も面白みこそはないが、まとまりがいい。

 また、予防安全パッケージとして自動ブレーキ、先行車追従型のアダプティブクルーズコントロール(作動速度域は30㎞/h以上)、車線の中央をキープしようとするLKAS(レーンキープアシストシステム)などから構成されるホンダセンシングが全車標準装備される点も有難い。

 全体的にクルマを移動の道具として考える人には申し分のない仕上がりだ。

●コストパフォーマンスもいい

 ベーシックなグレードのFF車であれば1.5Lガソリン車/180万8400円、ハイブリッド/215万8200円と、LEDヘッドライトなどメーカーオプションで加えたい装備がいくつかあるにせよ、特に1.5Lガソリン車のお買い得感は高い。

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 ステーションワゴン需要の減少により、登場から約9年半で約50万台が売れたプリウスαですら2021年3月で絶版となる昨今だけに、シャトルが次期モデル以降存続するのも際どいところなのかもしれない。

 しかし、シャトルのライバル車が今後登場する可能性は低く、唯一の5ナンバーサイズワゴンとして堅実に売れそうな点も考えると、やはり新型フィットベースの次期シャトルの登場を期待したいところだ。

【画像ギャラリー】地味でありながら息の長い『いぶし銀』ステーションワゴン、ホンダ シャトルを写真で見る

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