パジェロ、パルサー、MR2…90年代を彩った「やりすぎたクルマたち」6選

■スバル アルシオーネSVX 1991〜1996年

 鬼才、ジョルジェット・ジウジアーロが基本デザインを手がけた異色の4WDスペシャルティカーで、1991年9月にデビューした。

 スバルのフラッグシップクーペで、エンジンは3.3Lの水平対向6気筒DOHCだ。このフラット6は驚くほど滑らかで、高回転まで気持ちよく回った。

 ハンドリングも今のクルマに負けていない。センターデフに電子制御LSDのVTD-4WDによって意のままの軽快な走りを楽しめた。

 エンジニアの情熱が伝わってくる魅力的なスペシャルティカーだったが、発売直後から販売は伸び悩んだ。スバルの販売店が高級スペシャルティカーの客層を持っていなかったし、新たな客を取り込むのも得意ではなかった。

 実力は高かったが、400万円に迫る販売価格も足かせとなっていた。

 また、バブル景気に惑わされ、開発の途中で無理やりボディを手直しし、大排気量エンジンを積んだ。これもSVXにとっては逆風となっている。

 もしスバルが本気になって、今の技術で開発し、発売すれば、いいスペシャルティカーが誕生するだろう。

■日産 パルサーVZ-R N1 1997年

 5代目パルサー、N15型の後期モデルに設定されたライトウエイトスポーツがVZ-Rだ。最大のニュースは、刺激的なパワーユニットである。ファンから「青ヘッド」と呼ばれたSR16VE型直列4気筒DOHCエンジンを積んでいた。

 このエンジンはNEO VVLと名付けられた可変バルブタイミング&リフト機構を採用し、気持ちよく高回転まで回る。

 また、モータースポーツのホモロゲーション取得モデルとして、エンジンをチューニングするとともに軽量化したBZ-R N1を200台限定で発売した。

 が、パルサーVZ-Rもレース出場モデルのVZ-R N1も、今ひとつの販売にとどまり、今では知っている人も少ない。

 この時期、パルサーは日本ではマイナーな存在だった。そもそもスポーツモデルのイメージは薄かった。

 同じ時期にホンダは、インテグラとシビックにタイプRを設定している。多くの人は、究極のDOHC・VTECエンジンを積み、レースでも勝てるホンダのタイプRを選んでしまったのである。

 今の時代はベースモデルもないから、販売するのは困難だろう。

■日産 ステージア260RS 1997〜2000年

 スカイラインとローレルのワゴンバージョンとして1996年秋に誕生したのがステージアだ。

 「プレステージ・ツーリングワゴン」のコンセプトから分かるように、3ナンバー枠の大柄なボディをまとい、エンジンは2.5LのRB25DE型DOHCとターボ搭載のRB25DET型を主役にしている。

 そして発売から1年後にホットバージョンの260RSを投入した。これはスカイラインGT-Rのワゴン版だ。

 オーテックジャパンからリリースされたが、スペックは強烈である。280psのRB26DETT型DOHCツインターボを積み、駆動方式は4WDのアテーサE-TSに電動ハイキャスの組み合わせだ。ブレーキも名門ブレンボ製をおごった。

 が、GT-Rほど話題にはならなかったし、販売も今一歩に終わっている。スマートなワゴン派からは仰々しい、子供っぽいスタイルが敬遠されたのだろう。

 GT-R支持派からは異端と見られた。復活を期待したいが、投資額は大きいから今の日産じゃ企画は通らないだろうな。

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