■「左側通行右ウインカー」となったのは日本が島国だったから!?
日本で初めて、「乗用車は左側通行するべし」と法律で決められたのは、昭和35(1960)年の道路交通法ですが、その法律が施行される前から、クルマの左側通行は行われていました。
JAFの調査によると、道路の通行方法が最初に明文化されたのは明治14(1881)年、「人力車」に対してだったそう。
警視庁の通達で、「人力車が行き合った場合には左に避けること」と明記されており、これが国内初となった、車両の左側通行の規定のようです。初代警察講習所長の松井茂氏の判断だったといいます。
クルマや交通に関するルールが決まっていく際に、他国からの影響をそれほど受けずに、独自のルールがつくられたのは、日本が外国と陸でつながることのない、島国だったからなのでしょう。
■国際規格に合わせない日本仕様だけ特別扱いはできない??
右ハンドルなのに左ウインカーである理由としては、「右ハンドル用の右ウインカーはコスト的に大変」という意見に触れることがあります。
たしかに、ISOで規定されていない右ウインカーを造るのには、コストがかかります。しかし、部品の種類が増える程度ですので、何万円もコストアップするほどでもありません。
輸入車メーカーとしては、「ISOという国際ルールに従わない日本のためだけに、右ウインカーを作る意味が見いだせない」、というのが本音なのではないか、と筆者は考えます。
そしてこの件は、そっとしておいたほうがいい、というのが筆者の考えです。もし、ウインカーの位置を世界的に一本化する流れがおきたら、弱い立場のJISは、あっという間にISOにとりこまれてしまうからです。
筆者は昨年、フランスメーカーの右ハンドルのマニュアル車を買いました。シフトノブとウインカーの操作をする左手が、ものすごく忙しいのに対し、ハンドルから手を放す必要がない右手は、ある意味「ヒマ」。最初は結構、面倒に感じました。
AT車であれば、さほど苦痛に感じないかもしれませんが、もし、ISOに取り込まれてしまったら、(日本車すべてが)こういうことになってしまいます。
そう考えると、「右ハンドル・左ウインカー」に対して、不平・不満を叫ぶりよりも、ひっそりと放っておく方が、我々日本人にとっては、都合がよいのかもしれません。
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