もしやガラパゴス化? 使いにくいのになぜ左? 右ハンドル輸入車のウインカー位置のギモン

■「左側通行右ウインカー」となったのは日本が島国だったから!?

90年代を席巻したベンツのW124など、輸入車でも右ハンドル仕様で右ウィンカーというモデルも存在した
90年代を席巻したベンツのW124など、輸入車でも右ハンドル仕様で右ウィンカーというモデルも存在した

 日本で初めて、「乗用車は左側通行するべし」と法律で決められたのは、昭和35(1960)年の道路交通法ですが、その法律が施行される前から、クルマの左側通行は行われていました。

 JAFの調査によると、道路の通行方法が最初に明文化されたのは明治14(1881)年、「人力車」に対してだったそう。

 警視庁の通達で、「人力車が行き合った場合には左に避けること」と明記されており、これが国内初となった、車両の左側通行の規定のようです。初代警察講習所長の松井茂氏の判断だったといいます。

 クルマや交通に関するルールが決まっていく際に、他国からの影響をそれほど受けずに、独自のルールがつくられたのは、日本が外国と陸でつながることのない、島国だったからなのでしょう。

■国際規格に合わせない日本仕様だけ特別扱いはできない??

イギリス仕様のヤリスはもちろん右ハンドルだが日本仕様とは異なりウィンカーは左にある
イギリス仕様のヤリスはもちろん右ハンドルだが日本仕様とは異なりウィンカーは左にある

 右ハンドルなのに左ウインカーである理由としては、「右ハンドル用の右ウインカーはコスト的に大変」という意見に触れることがあります。

 たしかに、ISOで規定されていない右ウインカーを造るのには、コストがかかります。しかし、部品の種類が増える程度ですので、何万円もコストアップするほどでもありません。

 輸入車メーカーとしては、「ISOという国際ルールに従わない日本のためだけに、右ウインカーを作る意味が見いだせない」、というのが本音なのではないか、と筆者は考えます。

 そしてこの件は、そっとしておいたほうがいい、というのが筆者の考えです。もし、ウインカーの位置を世界的に一本化する流れがおきたら、弱い立場のJISは、あっという間にISOにとりこまれてしまうからです。

 筆者は昨年、フランスメーカーの右ハンドルのマニュアル車を買いました。シフトノブとウインカーの操作をする左手が、ものすごく忙しいのに対し、ハンドルから手を放す必要がない右手は、ある意味「ヒマ」。最初は結構、面倒に感じました。

 AT車であれば、さほど苦痛に感じないかもしれませんが、もし、ISOに取り込まれてしまったら、(日本車すべてが)こういうことになってしまいます。

 そう考えると、「右ハンドル・左ウインカー」に対して、不平・不満を叫ぶりよりも、ひっそりと放っておく方が、我々日本人にとっては、都合がよいのかもしれません。

【画像ギャラリー】ウインカー出そうとしてワイパーを動かす輸入車あるある!! ちょっと悲しくなるアノ現象を生む「輸入車のウインカー位置」を真面目に考えてみる

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