■今では見かけない「コラムシフト」
ステアリングコラムにマニュアルのシフトレバーがあるタイプ。クラウンコンフォートやセドリック/グロリア、ワンボックスカー、トラックなどに採用されていたが、今ではほとんど見かけなくなった。現時点、新車で購入できるコラムシフトのMT車はない。
コラムシフトは、フロアシフトと比べて、スペース効率が優れており、空いたスペースで3人掛けのベンチシートにすることもできた。
ただ、70年代に入り4MT、5MTと多段化が進んだことで、「ギアがどこに入っているのか分かりにくい」という欠点が浮き彫りとなり、徐々に採用車種が減っていき、バンやトラック、タクシーなどに採用が限られるようになった。
また、シフトレバーからトランスミッションまでを、複数のリンク機構などを介して繋げていたため(リモートコントロール式という)、遊びが大きくてグネグネとした操作感も不評であった。
■シフトレバーの位置や長さは「好みの問題」でしかない
シフトレバーの位置については、構造や機能的に、欠点が指摘されてきたコラムシフトのMTを除けば、フロアシフトMTかインパネシフトMTかは、ドライバーの好みで選べばよく、どちらかが機能的に劣る、ということはない。
また、シフトノブの長さについても、長いほうが操作したフィーリングあって好きという方もいるし、短いほうが手先だけでシフトチェンジできるので好き、という意見もある。「お好きな方でマニュアル操作を楽しみましょう」というのが筆者の考えだ。
全車速追従機能付のACCなどの運転支援技術が当たり前になりつつある現在、MT車の存在意義は、「商業車」か「プレジャー」という目的以外にはない。新車では減る一方のMT車だが、中古車市場においては、程度の良いMT車は、まだたくさんある。
「MT車好きはマニアック」という印象を持たれることがあるが、少数派となった今だからこそ、あえてマニュアル車を選んでみるのは、どうだろうか。
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