省スペースのインパネシフトとオーソドックスなフロアシフト!! MT車のシフト位置の利点と欠点

■今では見かけない「コラムシフト」

コラムシフトといって真っ先に思い出されるのがクラウンコンフォートなどの古いタクシー。写真はルノー16のコックピットで、ハンドルの右側に見えているのがコラムシフトの変速レバーだ
コラムシフトといって真っ先に思い出されるのがクラウンコンフォートなどの古いタクシー。写真はルノー16のコックピットで、ハンドルの右側に見えているのがコラムシフトの変速レバーだ

 ステアリングコラムにマニュアルのシフトレバーがあるタイプ。クラウンコンフォートやセドリック/グロリア、ワンボックスカー、トラックなどに採用されていたが、今ではほとんど見かけなくなった。現時点、新車で購入できるコラムシフトのMT車はない。

 コラムシフトは、フロアシフトと比べて、スペース効率が優れており、空いたスペースで3人掛けのベンチシートにすることもできた。

 ただ、70年代に入り4MT、5MTと多段化が進んだことで、「ギアがどこに入っているのか分かりにくい」という欠点が浮き彫りとなり、徐々に採用車種が減っていき、バンやトラック、タクシーなどに採用が限られるようになった。

 また、シフトレバーからトランスミッションまでを、複数のリンク機構などを介して繋げていたため(リモートコントロール式という)、遊びが大きくてグネグネとした操作感も不評であった。

■シフトレバーの位置や長さは「好みの問題」でしかない

フロアかインパネか、ユーザーの好みで選べばよい
フロアかインパネか、ユーザーの好みで選べばよい

 シフトレバーの位置については、構造や機能的に、欠点が指摘されてきたコラムシフトのMTを除けば、フロアシフトMTかインパネシフトMTかは、ドライバーの好みで選べばよく、どちらかが機能的に劣る、ということはない。

 また、シフトノブの長さについても、長いほうが操作したフィーリングあって好きという方もいるし、短いほうが手先だけでシフトチェンジできるので好き、という意見もある。「お好きな方でマニュアル操作を楽しみましょう」というのが筆者の考えだ。

 全車速追従機能付のACCなどの運転支援技術が当たり前になりつつある現在、MT車の存在意義は、「商業車」か「プレジャー」という目的以外にはない。新車では減る一方のMT車だが、中古車市場においては、程度の良いMT車は、まだたくさんある。

 「MT車好きはマニアック」という印象を持たれることがあるが、少数派となった今だからこそ、あえてマニュアル車を選んでみるのは、どうだろうか。

【画像ギャラリー】それぞれの位置にメリットがあるのだ!! シフトレバー位置あれこれを写真で見る!

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