「空飛ぶクルマ」が現実になりつつあります。交通が不便な山間地域や離島などで、クルマに代わる移動手段として、経済産業省と国土交通省などによる官民一体のプロジェクトが立ち上げられており、日本における「空飛ぶクルマ」の実現に向けて、開発が進められています。
市販化までには、まだまだ課題山積のようですが、現在、国内の主要大学や企業によって、試作機の開発が進められており、タイヤに代わってプロペラがついたモビリティの登場も、夢の話ではなくなってきています。
市販されているクルマをみても、その昔は夢のような話だった、先進運転支援技術や先進安全装備が充実してきており、そして電気自動車や燃料電池車までもが登場するなど、さまざまな技術が盛り込まれてきています。
そして今後も、デジタルサイドミラーやデジタルバックミラーなど、採用が進むと思われるクルマに関する技術はたくさんあります。となると当然、クルマからはなくなっていく技術も。
そこで今回は、近い将来消える「かもしれない」クルマの技術について考えてみようと思います。
文:
写真:NISSAN、TOYOTA、HONDA、Tesla Motors、LEXUS
【画像ギャラリー】消滅も近い!? V6 NAエンジンを搭載する国産車を写真でチェック!!
V6 NAエンジン
現在、国産車で自然吸気(NA)のV型6気筒エンジンをラインアップしているのは、トヨタのアルファード/ヴェルファイア、レクサスRC350(RXはV6+ハイブリッド)、そして日産フェアレディZとエルグランド、と極少数。4気筒エンジンとは比較にならない独特な低音サウンドは、筆者としては実に優雅に感じるものではありますが、燃費の悪さは致命的です。
北米ではマルチシリンダーエンジンへの信仰はいまだ根強くあるようですが、日本ではそういった方はごく少数であり、この手のV6 NAエンジン搭載車は淘汰されていくことになるでしょう。
その後は、ターボ化をして400馬力オーバーのハイパフォーマンスカー用エンジンか、もしくはハイブリッド化したラグジュアリー車用エンジンかの2択となる、と思われます。
マニュアルトランスミッション
すでに日本では、MT車の新車販売比率は2%程度。限られた車種で、極少数が販売されている状況です。
ここまでMT車が減っている理由としては、もちろん運転操作がより楽なAT車のほうが需要が高い、ということもありますが、ACC(追従型クルーズコントロール)を代表する先進運転支援システムとの相性が悪いため、ということもあります。
MT車はクラッチ操作なしに停止するとエンジンストップするため、低速になるとACCがキャンセルされてしまうのです(走行中でもクラッチ操作をするとACCはキャンセルされる)。
自動停止から再発進まで、制御の守備範囲が広いATに比べると、MTは不利であり、MT車は商用車や趣味性の高いクルマを除いて、ほぼ消滅することになるでしょう。
ちなみに、運転免許統計令和元年版によると、第一種普通運転免許を取得したドライバーのうち、AT限定免許を取得した方は、約68%。いまでも約3割の方は、限定無し免許(MT可)を取得しているようです。