■一番シートの優れたコンパクトカーは?
総合評価の1位はフリードだ。1列目シートの座り心地は平均的だが、2列目はセパレートタイプで快適性を高めた。3列目は膝の持ち上がる座り方で少し窮屈だが、コンパクトカーとして3列目を畳み、1/2列目を使って4名で移動する時の快適性は高い。
しかも荷室の床が低く荷室高にも余裕があるから、自転車のような大きな荷物を積みやすい。居住性と積載性をバランス良く両立させた。3列目が不要で荷物の積載を重視するならフリードプラスも検討したい。
総合評価の2位はフィットだ。全高が立体駐車場を使いやすい1550mm以下のコンパクトカーでは、後席が最も快適で荷室も一番広い。後席の座り心地は、シエンタと比べても少し快適だ。
またフィットは燃料タンクを前席の下に搭載するから、後席の座面を持ち上げると、車内の中央に背の高い荷物を積むことも可能だ。独特のシートアレンジを備える。
●シートで選ぶコンパクトカーのランキング順位
総合評価の3位はシエンタだ。ミニバンでありながら全高は1700mm以下だが、薄型燃料タンクによって床も低く抑えた。従ってミニバンとして背は低めだが、荷室高は十分に確保されて荷物も積みやすい。
シエンタはトヨタ車でありながら、実用性はフィットとフリードの中間に位置する。それは先代シエンタがモビリオ(フリードの前身で燃料タンクを前席の下に搭載していた)の対抗車種として企画された結果でもあるだろう。
シエンタは今でも空間効率の優れたホンダ車を意識して開発され、フィットやフリードの優れた合理性を吸収して、売れ行きを着実に伸ばしている。
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