■後席の比較&ランキング
コンパクトカーでは、後席の足元空間に注意したい。売れ筋の軽自動車よりも車内が狭いからだ。
軽自動車は4名乗車の用途を含めて日本のユーザーを対象に開発され、後席の広さも重視するが、コンパクトカーは大半の車種が海外でも売られる。海外では前席の運転姿勢や荷室容量が重視され、後席の足元空間は狭まりやすい。
そうなると後席が最も快適な1位はコンパクトミニバンのフリードだ。標準タイプのシート配列は、2列目がセパレートタイプになる6人乗りで、両側にアームレストも備わる。膝が少し持ち上がるが快適だ。
しかもベンチタイプの7人乗りに比べて価格が安い。3列目シートに乗員が座らない時は、2列目を後方にスライドさせて足元空間を拡大できる。身長170cmの大人4名が乗車して、2列目に座る乗員の膝先空間は握りコブシ3つ半と広い。
後席の2位はフィットだ。全高は立体駐車場を使える高さに抑えたから、車内が広そうに見えないが、実際はかなり余裕がある。
後席に座る乗員の膝先空間は、フリードと同じ測り方で握りコブシ2つ半だ。ミドルサイズセダンと同等の余裕を持たせた。座り心地も適度に柔軟で快適だ。現行型はサイドウインドーの下端を後ろに向けて持ち上げず、後方へ水平に伸ばしたから、後席に座る乗員の視界が広がって開放感も味わえる。
後席の3位はソリオだ。やや腰が落ち込んで膝の持ち上がる座り方が気になるが、座り心地は柔軟で快適に感じる。後席のスライド位置を後端に寄せると、先ほどの測り方で、後席に座る乗員の膝先空間は握りコブシ3つ半だ。フリードと同等のスペースを確保した。
全長は3800mm以下だが、全高を1700mm以上に高めることで広い室内を備える。空間効率は2列シートのミニバンといえるだろう。
■荷室&シートアレンジの比較&ランキング
荷室やシートアレンジでは、背の高い車種が有利だ。スライドドアは乗り降りだけでなく、後席を畳んで荷物を積む時も便利に使える。
そこで1位に選んだ車種は、コンパクトミニバンのフリードだ。注目されるのは荷室の床が低いこと。リヤゲート開口部の下端は地上高が480mmに抑えられ、N-BOXなどと同等だ。
全高は1700mmを超えるから、荷室高にも余裕がある。3列目シートを左右に跳ね上げると、大きな荷物も積みやすい。自転車を積む時も、前輪を大きく持ち上げる必要がない。広くて収納性も優れている。
しかも6人乗りなら、2列目シートの中央に自転車の前輪を挟み込める。軽自動車では、4名で乗車して自転車を積むのは困難だが、フリードなら可能だ。
2位はコンパクトミニバンのシエンタ。リヤゲート開口下端部の地上高は505mmだから、フリードよりも少し高い。それでも荷物の収納性は良好だ。
加えてシエンタは薄型燃料タンクを採用したから、3列目を左右に跳ね上げるのではなく、2列目の下に格納できる。格納時には2列目を動かして3列目を畳むから少し面倒だが、格納した後の荷室はスッキリして使いやすい。全高は1700mm以下だが、薄型燃料タンクの採用で、荷室高には十分な余裕がある。
3位はコンパクトカーのルーミーだ。背の高いコンパクトカーだから後席を格納すると広い荷室になり、床を反転させると汚れを落としやすい素材が貼られている。タイヤの汚れた自転車などを積んだ後でも、簡単に拭き取れる。屋外での使い勝手も優れている。
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