運転している時に、クルマと人がまるでひとつになっているような一体感を「人馬一体」と言うが、実際に「人馬一体」を感じられるクルマは稀だ。単純に乗って楽しいだけではなく、クルマと通じ合っているような感覚があるモデル。そんなクルマを個人的に選んでみました!
文/伊藤梓、写真/MAZDA、HONDA、シトロエン、ケータハム
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■元祖「人馬一体」!? マツダ ロードスター
「人馬一体」と言えば、まずはロードスターを思い浮かべる人が多いのではないだろうか?
私自身、ロードスターを数年所有しているが、『これ以上「人馬一体」を感じられるクルマはないのでは?』と思う。
スポーツカーなのに、ゆっくりと道を流して走っているだけで、すーっと気持ちが軽やかになる。そして、さらに幌を開けて風を感じると、得も言われない幸せに包まれる。
エンジンは、1.5L自然吸気で、最高出力/最大トルクは132ps/152Nmと、スポーツカーとしてはパワーは小さい。その代わり、車重が軽くて、足回りがしなやかに動くから、どんな道でもクルマをちょっと走らせるだけでも楽しいのだ。
ロードスターに乗っていると、馬に乗っているというより、人懐っこい犬と一緒に走り回っているような感覚になる。それにつられて「もっと走りたいなぁ」「ちょっと寄り道してみようかな」と自然にクルマと過ごす時間が増えていく。
ロードスターの唯一の人馬一体感は、そんな自然なコミュニケーションにあるような気がする。
■軽規格の超絶ミドシップ!! ホンダ S660
ロードスターとはまた別種の人馬一体を感じられるのが、このホンダS660だ。ロードスターは、スポーツカーとしてだけではなく、日常の相棒として自然に人馬一体を感じられるモデルなのに対して、S660は、小さなボディで軽自動車のエンジンにも関わらず、しっかり「スポーツカー」を感じられるモデルなのだ。
運転してみると、思いのほかがっちりとした剛性感があり、ちょっと高級なクルマの雰囲気すら感じる。タイヤは、ハイグリップのADVAN NEOVA AD08Rを履いており、これがちょっとしたコーナリングや峠道などで地面にくっつくようにグリップするので、おそらくどんな人でもワインディングを楽しめると思う。
シフトは短くてがっちりしていて、手首を返すように素早くシフトチェンジできるところも、いっぱしのスポーツカーさながら。デザインも外観だけではなく、運転席の包まれるようなコックピット感に気分が上がる。
形式こそ軽自動車だが、そんなことを気にすることなく、ひとつのスポーツカーとして、どんな道でも人馬一体となってスポーツ走行しているような気分になれるモデルだ。
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