■SUVでもやっぱり!? マツダ MX-30
「人馬一体」といえば、やはりマツダのイメージが強い。そこで、「ロードスターを抜きにして、今の乗用車でもっとも人馬一体を感じるモデルはなんだろう」と考えてみた。
自分でも驚いたのだが、MAZDA3やCX-5などよりも、パッと頭に浮かんだのは、MX-30だった。マツダの新世代を牽引しているMAZDA3やCX-30などとは、また違う新しい価値観を持っているMX-30。
MAZDA3などは、SKYACTIV-Xなどの新技術を搭載したこともあって、まだその中での人馬一体を極め切れていない印象があるが、MX-30はむしろEV開発に専念したこともあってか、とても心地がいい、マツダらしい人馬一体のドライビングフィールを持ったクルマになっている。
EVや観音開きのフリースタイルドアなど賛否はあるとは思うが、純粋にそのクルマの乗り味だけをみると、人の体にスッと染み込んでくるような気持ち良さがある。最先端のマツダの「人馬一体」を感じたいのであれば、ぜひ一度MX-30にも触れてみてほしい。
■英国と軽自動車の融合 ケータハム セブン 160
ちょっと変わり種かもしれないが、直列3気筒660ccのスズキ製のエンジン(80ps/107Nm)を搭載したケータハム セブン 160も、私にとって人馬一体を感じさせるモデルとして外せない1台だ。おそらく近代のスポーツカーの中で、もっともシンプルに作られているモデルではないだろうか?
鉄板をとりあえずくっつけたような余計な装飾がないボディや、軽自動車のエンジンなのに爆音が響くコックピット、寝そべるような姿勢で足を投げ出して操作するペダル……。
正直、「今の時代にこんなクルマに乗っていいの?!」と思ってしまうが、一度走り出すと、ただひたすら運転の面白さに没頭できてしまうのが、このケータハムだ。車重が490kgということもあり、軽自動車のエンジンなのに、驚くほどくるくるキビキビと走り回れる。
車高も低く、地面すれすれを走っているように感じるので、まるで自分が覚えたてのホウキで飛んでいる魔法使いのように思えてくる。
最初はなかなか呼吸が合わないホウキを力づくでハンドリングしながら、数時間も走っていると、いつの間にかどうやって飛んでいるかを忘れてしまうほど、自然に運転できるようになっている。スパルタンでちょっと手に入れにくいモデルではあるが、その人馬一体感は抜群!
■見た目以上の衝撃!! シトロエン グランド C4 ピカソ
初めて乗った時に「宇宙人がミニバンに乗るならこれだろうな……」と、謎の感想を抱いたのが、このシトロエン グランド C4 ピカソ(今はグランド C4 スペースツアラーという名前になっている)。
シトロエン グランド C4 ピカソは、いわゆるミニバンだし、大きな恐竜の卵みたいにつるっとしている楕円形のボディや、なんともいえないヌメっとした表情のフロントマスクを見て、きっと誰も人馬一体を感じるモデルだとは思わないだろう……。
ただ、ひとたび運転してみると、そのシトロエンらしい浮遊感のあるようなふわりとした乗り心地と、まるで抵抗がないようなスムースなハンドリングは、まるで無重力空間で自在に宇宙船を運転しているよう。
運転している時は、終始心地よさに包まれて、自分が運転しているのに、まるで自動運転されているかのようにリラックスできる。
シトロエン グランド C4 ピカソは、こちらから何か特別なアクションを起こさなくても、運転に集中しすぎず、安心感と心地よさとゆとりを持って運転できるので、「ある意味で、これもひとつの人馬一体なのかもしれない」と感じたモデルだった。
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