SUV&ミニバンら3列シート、EV化、自動運転ら自動車関連の裏事情 10選

■クルマのグローバル化の “実はヤバイ”

 日本の自動車業界にとって、グローバル化なんていう言葉は「なにを今さら」の死語。そもそも自動車は最初からグローバルな競争にさらされている商品だし、生産工場の海外進出も’80年代には経験済み。「これ以上ナニをどうグローバル化せいちゅーねん!」てなもんだろう。

 ただし、「グローバル競争の激化」という問題点は、最近の課題としてある。

 日本の自動車メーカーが世界に出て行った’80年代、自動車市場といえば日米欧の先進国がメインだったし、欧米メーカーは海外進出には消極的。日本メーカーはいわゆる“ブルーオーシャン”で我が世の春を謳歌したわけだ。

 しかし、新興国市場が急激に成長し、とりわけ中国だけで3000万台ものクルマが売れるようになると、成長市場を目指して参入するプレーヤーが激増。みるみる競争がシビアになってくる。

 そうなると、どこの地域だって地元勢を支援する政策が求められる。ここ数年、環境規制のルールが目まぐるしく変化しているのは、タテマエは環境でも地元メーカー支援策というホンネがすけすけ。

 とりわけ、中国のNEV法などは、内燃機関からEVへのゲームチェンジを狙った露骨なルール変更としか言いようがない。

 ほんと、グローバル化なんて、正直言ってツライことばっかりですよね。

(鈴木直也)

ダウンサイジングで一歩リードしたVW
多くのクルマがグローバル化している現代

■ダウンサイジングターボの “実はヤバイ”

 欧州勢、とくにVWが先陣を切ったダウンサイズターボブームは、ほぼ10年遅れで日本にも伝播。トヨタ、ホンダ、スズキを先頭にラインアップが充実しつつある。

 そもそも、日本はプリウスを筆頭にハイブリッド車の普及で先行していたため、エコカーといえばハイブリッドが売れ筋。ダウンサイズターボには消極的だった。

 逆に、欧州勢は「ハイブリッドカーは短命」あるいは「欧州の交通事情だとハイブリッドは非効率」として、ディーゼルやダウンサイズターボに傾倒。お互い「ウチの方がイイ!」と意地を張っていたわけだ。

 ところが、皮肉なことに最近は彼我の関係が逆転。日本勢が遅ればせながらダウンサイズターボを増やしているのと同様、欧州勢はPHVを中心に電動化パワートレーンに注力している。

 欧州勢が電動化に熱心なのは、電動化でCO2排出量を減らさないと生き残れないという切実な事情からだ。EU圏ではPHV、中国や北米向けにはEVをラインアップしないと環境規制をクリアできない。

 いっぽう、日本勢のダウンサイズターボ開発も、走りの楽しいエンジン造りをサボってきたツケを払っている感じ。燃費ではハイブリッドに勝てないが、ターボの方がやっぱり乗って面白い。

 最近ようやく、お互いに「敵ながらアッパレ」と認め合えるようになったのかもしれませんね。

(鈴木直也)

ダウンサイジングで一歩リードしたVW
ダウンサイジングで一歩リードしたVW

■首都高速の耐久性の “実はヤバイ”

首都高の老朽化問題に関しては、4年前に当面の結論が出ている。

大規模更新(造り直し)…5区間合計8キロ

大規模修繕…合計55キロ

 この合計63キロは、建設から40年以上を経て老朽化が進んでいる区間だ。費用は合計約6300億円と見積もられていて、料金徴収期間を従来の「民営化から45年間」から「60年間」に延長することで捻出する。完成予定は約10年後、2028年度だが、もっと延びるだろう。

 といっても、これが完了すれば老朽化問題も終了、とはならない。人間の老化と同様、首都高の老朽化も止まることはないので、今後も造り直しや大規模修繕は必要になる。

 首都高の新規路線建設は終了しつつあるが、今後はメンテナンス費用を捻出するために、ひたすら料金を徴収し続けることになる。

 問題は、果たして現状の料金水準で維持が可能か否かだ。

 たとえばC1日本橋付近は地下化されることがほぼ決まったが、高架での架け替えに比べると、地下化は数倍も費用がかかる。

 仮に今後も各路線で地下への転換を進めることにでもなれば大幅な料金値上げ、あるいは税金の投入は避けられず、首都高の存在そのものが破綻しかねない。

(清水草一)

次ページは : ■高速道路の料金体系の “実はヤバイ”

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