間もなくやってくる春からのドライブシーズン。クルマ好きの読者なら自分の愛車を少しでも「グレードアップしたい」とか「長く乗り続けたい」と思うことだろう。
ただ、クルマ用品は高価なアイテムも多く日々のお小遣いを貯める程度では到底手が届かないものもある。
量販店やカスタマイズイベントなどを見渡すと、お手軽に購入できて効果もしっかりと実感できるアイテムも数多く存在する。何よりそんなコストパフォーマンスに優れたアイテムを探し出すというのもカーライフの楽しみのひとつ。
そこで今回は予算1万円“ちょい”でのチューンアップ方法を伝授。リーズナブルだけど意外に効果の高いチューンアップ法もご紹介します!
※記事の内容は2017年4月のものです。本企画で紹介している実勢価格はオープン価格商品が、一般市場で販売されるおおよその目安価格です
文:真鍋裕行、ベストカー編集部
写真:ベストカー編集部
初出:ベストカー2017年4月26日号
■アルミテープ
昨年(2016年)トヨタが発表して話題になったアルミテープチューン。クルマのボディで発生する乱気流をアルミテープを使ってコントロールするというもの。
具体的に紹介するにはあまりにも文字量が足りないので、効くか効かないかをズバリいえば、「確実に効きます」と断言したい。しかもうれしいのはアルミテープをボディに貼るだけなので費用も激安。ぜひ実践してみよう。

■シートを貼ってドレスアップ&剛性アップ! 車内用グッズもラインアップ!
トヨタのアルミテープのような体感効果はないが、手軽にスポーティさを演出できるのが、ハセ・プロがリリースするマジカルカーボン。
カーボン調の専用シートを貼り付けるだけのお手軽アイテムなのだ。その気になれば、外装をカーボン調にフルラッピングすることもできるし、好みでピラーやウイングなどのワンポイントに施工することも可能。
貼りたい箇所によっては、すでに専用の大きさにカットしている商品も多く、簡単にDIYで施工できる。
国産メーカーをはじめ多くの車種ごとに細かい設定があるのも特徴で、マイナー車種でない限りはラインアップが見つかる。ブラックカーボン以外のカラーもあるぞ。(真鍋裕行)



■夜の走りをグレードアップする光るアイテムLEDライトでドレスアップ効果も!
手軽さという領域を多少越えているかもしれないが、外観の印象を大幅に変えてくれるのが「光りモノ系」のアイテムになる。もともとはミニバンや軽自動車のカスタムから火が付いたのだが、今では86/BRZやGT-Rなどのスポーツモデルにも派生している。
そんな光りモノ系のアイテムを数多くラインアップしているのがヴァレンティで、ヘッドライトからテールランプ、フォグランプ、ハイマウントストップランプ、ドアミラーウインカー、ルームランプなどあらゆる商品を用意。
人気のアイテムとなる「ジュエルLEDテールランプ」は、ウインカーが流れて点灯するフローアクションを採用。
純正ではレクサスやアウディなどがいち早く取り入れたフローアクションが、リプレイスとして手に入るのだ。ストップランプやスモールランプには無数のLEDチップが埋め込まれていて、発光の美しさが人気の秘訣。
ヘッドライトも同様のフローアクションやLEDのポジションなどが採用されていて、テールランプとともに支持を集めている。
ただ、そこまでコストをかけられないという人には、LEDのルームランプがおすすめ。純正のバルブと替えれば、その発光色と輝度の違いは一目瞭然で、一度付けると次の愛車でも付けたくなる。(真鍋裕行)



■タイヤ窒素ガス
タイヤへの窒素充填。最近はあまり話題にならなくなったがメリットがあることを確認! ①空気圧が減りにくい、②操安性の向上と低燃費、③タイヤ内部の酸化防止などがある。まだ一度も試したことがないというならこの春トライすることをおすすめ。カーショップでの窒素充填費用は1台約2000円だ。

■アーシング
アーシングとはボディに流れているマイナス電気の通りをよりよくしてやるというチューニング。これによりプラグがしっかり発火することから低速でもエンジンが快調になるといわれている。新車よりも、走り込んで走行距離の伸びているクルマに効果がある。

■OBD Ⅱ マルチメーター
OBDⅡポートとはほとんどのクルマのダッシュ裏に付いている整備点検用のポート。そのポートを利用するカー用品が現在いろいろ登場している。メーターでは得られない情報も知ることができるので、燃費改善などに役立つぞ!

■キャリパーを交換する前にまずはブレーキフルードをグレードアップ!
ブレーキ回りのパーツも低価格で、変化を体感できるパーツのひとつとなる。ブレーキパッドの交換となるとDIYでできなくもないが、記録簿への記載が必要などハードルが高い。だが、ブレーキフルードならばDIYで交換しても問題なく、ペダルタッチがよくなるなど実体感できるアイテムともいえる。
ブレーキフルードの交換時期は1年から車検ごとが目安とされていて、その理由として挙げられるのが水分を吸うことによる劣化になる。
一般的なブレーキフルードは、エチレングリコールと呼ばれる化学物質が成分で、吸湿性の高い材料。そのため年を追うごとに水分を含むのだ。
経年劣化するとペダルタッチが悪化したり、ペーパーロックの原因ともなるので注意したい。
TCLアドヴァンス・ブランドでブレーキフルードなどを販売している谷川油化興業は、昭和24年に創業し、長い歴史の中で開発力を磨き高品質な製品をリリース。
どの製品も過酷な環境下での使用を想定していて、純正品よりも遙かに高い性能を持つ。一般からサーキットユースまでモデルが分かれているので最適な商品を選んでみよう。(真鍋裕行)

■ウソかマコトか! ヒューズを替えるだけで走りが変わる!?
ヒューズに液体窒素を使ったクライオジェニック処理と呼ばれる極低温での加工を行っているのが「ICE FUSE」の最大の特徴になる。ヒューズに極低温の特殊処理を施すことによって、金属の分子配列が整い電気抵抗値が下がることや、金属の純度や表面強度がアップする。
効果としては、抵抗値が極限まで下がることによって効率的に電気が流れるようになるのだ。液体窒素を使った冷却処理は、スペースシャトルや超伝導リニアなどにも用いられている実用性の高い方法。
眉唾もののように感じるだろうが、先日、実際に86のレースカーの全ヒューズを交換して乗り比べたところ、アクセルレスポンスや中間トルクの向上が確かに体感できた。シャシーダイナモの計測でも実測値が上がったという結果も得られているそうだ。
ヒューズなので誰でも差し替えれば交換できるところも手軽で、実用性の高いチューニングアイテムといえる。(真鍋裕行)

■オススメ! エンジンオイル
メインテナンスでいえば、まずは油脂類が挙がってくる。エンジンオイルは、使っているベースオイルによって「化学合成油」「部分合成油」「鉱物油」に分かれている。
もっとも高価な100%化学合成油だと4Lで1万円以上するが、たいがいは1万円以内で収まるはず。
ただ、最近の車種によっては鉱物油が指定オイルになっていたり、街乗りしかしないというならばメーカー指定オイルで充分ことが足りてしまう。
この時期の花粉対策に有効なエアコンフィルターも1万円も出さずに購入できるアイテムだが、当たり前すぎる。
そんなことを思いつつ脳裏をよぎったのがトヨタが86などに採用したことで話題となったアルミテープ。車両に帯びている電気を放出することで、抵抗をなくしあらゆるフリクションを低減させる効果を持つアイテムだ。
実際に乗ってみてステアリングのフィーリングは変わったし、乗り味の変化も体感できた。実勢価格も1枚1000円程度なので、この企画内容にバッチリだろう。
このように低価格で効果が体感できるアイテムから、機能性はないが安価でドレスアップ効果が高いものなど手軽さをキーワードに各商品を集めてみた。
最近はオーナーが愛車に取り付けたコメントやレビューをインターネットで見て購入グッズを決める人も多く、それらから情報を手に入れる方法もある。
そんなオーナーが実体験したレビューなどを参考にして、リーズナブルだが効果絶大なアイテムを見つけてみるのも面白いだろう。(真鍋裕行)




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◎真鍋裕行…カスタマイズ誌の編集者を経て、現在はクルマ関連の最新情報などを幅広くリポートしている自動車ライター/エディター