「良い姿勢」は、背骨全体が大きなS字を描いたフォルム
人の背骨は、頭からお尻にかけて、頚椎(首まわり)、胸椎(肋骨の後ろ側)、腰椎(腰の周り)、仙骨(腰の下からお尻にかけて)と、複数の骨が合わさってできています。その周囲に付いた筋肉が姿勢を保つ役割をしており、運動不足や加齢で筋肉が衰えると、背中が丸まり、姿勢が崩れていきます。
吉川(弟)先生によると、「良い姿勢」は、背骨全体が大きなS字を描いたフォルムのこと。特に、胸を張った状態で、仙骨よりも腰椎が前側に来るような姿勢が最も良いとされているそう。スマホやパソコンを使用していると、どうしても猫背気味になり、この理想の姿勢から遠ざかっていきます。
椅子やクルマのシートに座っているときにも、立ち姿勢のときの「理想の背骨のライン」に近づけるよう、座り方に注意する必要があるそうです。
座った姿勢でも、背骨をS字ラインに近づける
具体的には、1.シートの奥に腰がくるようにかける 2.ランバーサポートがあるならばできるだけ前に出す(ない場合にはクッションなどを挟む) 3.寝そべらないようにシートの背もたれは起こし気味にする、の3点。
力を抜いてリラックスしてしまうと、どうしても猫背になりがちですが、それだと、仙椎が前方に出た姿勢となり、背骨の理想ラインが崩れてしまい、それこそが「腰痛の原因になる」とのこと。
腰の部分を前に「グッ」と押し出すような姿勢を保つのは辛そうに感じますが、長時間運転では、この姿勢の方が、腰痛を抑えられるそうです。
さらには、シートの座面の高さも腰痛に影響するとのこと。腰よりも膝の位置が高い場合も、猫背寄りになるため、腰痛に繋がります。普段は座面が低めにするドライバー(筆者も座面を最下段にする派)も、長時間運転するときには、座面を少し上げ、膝がやや下がる位置に調節するとよいそうです。
それでも腰が痛くなってしまったら「キャットレッチ」
こうした対策をしていても、腰が痛くなってきてしまったら、パーキングエリアなどで休憩する際に、ストレッチで和らげるといい、とのこと。
立った状態で、両手を後ろに組み、息をめいっぱい吸いこみます。次に、息を吐きながら、肩と手を後ろに引き、頭も後ろ側へと倒し、背骨をそらせます。これを5セット、クルマから降りたときと、乗り込む前の2回すると、効果的だそうです。
「キャットレッチ」という猫背解消のストレッチですが、肩こりや腰痛に対して、瞬間的に効果がある方法です。デスクワーク中でもできますので、ぜひともお試しください。
こまめな休憩と水分補給も大切
また、血行不良の対策として、「こまめな水分補給」も効果的です。水分が不足すると、血液がドロドロになり、血流が悪くなり、腰痛の原因となります。トイレが近くなってしまうので、運転中は水分を取らない、という方も多いですが、できるだけこまめな水分補給も、腰痛対策には大切。
また運転後のケアとして、お風呂に入るのも効果的です。腰痛は疲労が溜まると起こりやすくなります。長時間運転のあとは40度くらいの温めのお風呂にゆっくりとつかり、疲労回復を心がけるのがポイント。ちなみに筆者はサウナーなので、心身ともにリフレッシュするため、週に1~2回サウナに行っています。
正しいドラポジをしていても、長時間運転すれば腰や背中に負担が来るのは当たり前。日頃から疲労をためないように心掛け、快適なドライブを楽しみたいものですね。
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