JAFのロードサービスの主な出動理由ランキング(四輪)を分析してみると、2015年度はパンクやバースト、エア不足といったタイヤのトラブルが32万4665件だったが、2016年度が34万8752件、2017年度が36万5401件、2018年度が38万7862件と、出動回数全体の15%から18%に上昇した。
2019年度は37万6912件と若干減少し、直近の2020年4月から2021年2月(11ヵ月)のデータを見ると、32万3446件と減少傾向にあるものの、いっこうに減らない状況なのである。相変わらず出動回数全体に占める割合(四輪)が15.3~20.8%とバッテリートラブルに次いで2位につけている。
そこで、タイヤのパンクやバースト、エア不足といったタイヤのトラブルを防ぐ対策はあるのか? ちょっとした気遣いでトラブルを防ぐ方法をモータージャーナリストの高根英幸氏が解説する。
文/高根英幸 写真/ベストカー編集部 ベストカーweb編集部 Adobe Stock(トビラ写真/madscinbca-stock.adobe.com)
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■タイヤのパンクはなぜ減らない?
信頼性の向上とメンテナンスフリー化により、クルマが壊れなくなってきている一方で、タイヤのトラブルは増えている印象だ。
パンクは、バッテリー上がりやキー閉じ込みといったトラブルと比べ、外的要因(クルマ以外が起因するもの)が大きいこともある。自分でパンクの応急修理ができないドライバーが増えていることも、ロードサービスを要請する理由の1つであるからだ。つまりパンクトラブル自体が増えているとは言い切れない。
クルマのパンクトラブル時の対応の仕方に変化が起きていることは間違いないだろう。
以前はクルマのタイヤがパンクしたら、ドライバーが自らスペアタイヤに交換することが常識だったが、クルマのメンテナンスフリー化の影響でドライバーがクルマのメンテナンスを自分で行なう機会が減り、パンク時にも対応できなくなっていることも理由の一つだ。
それに加えてスペアタイヤを搭載していないクルマも増えていることも、ドライバーが自らパンク修理をすることを難しくしている。スペアタイヤの代わりにパンク修理キットを搭載している場合がほとんどだが、パンク修理キットも使い方が数種類あり、ディーラーは納車時にキチンと説明しないことも多い。
スペアタイヤを搭載しないのは、車体の軽量化による燃費改善やスペース効率の向上、コストダウンなどが主な理由だが、それ以外にも軽量化によって衝突安全性が高まったり、廃車になるまで使わなければ資源の無駄使いになることも防げるなど、メリットは多い。
それでもデメリットがない訳ではないのだ。それは、パンクした時には困る、ということである。
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