欧州トヨタが新型EVを発表! トヨタの電動化戦略で生み出される「Xプロローグ」とは何なのか!?

欧州トヨタが新型EVを発表! トヨタの電動化戦略で生み出される「Xプロローグ」とは何なのか!?

 2021年3月17日、トヨタはコンセプトモデル『アイゴXプロローグ』を公開した。シャープなヘッドライトやオーバーフェンダーなど、トヨタが欧州市場で販売している「アイゴ」とは異なり、その姿は実に印象的なコンパクトクロスオーバーSUVだ。

 現時点、パワートレーンについては未発表ではあるが、この小さなボディサイズを考えたとき、1Lクラスの小さなガソリンエンジンモデルだけでなく、ハイブリッドモデルやピュアEVのモデルも用意されるのでは!? という予想ができる。発表された『アイゴXプロローグ』の詳細をご紹介するとともに、トヨタが陰ながら進めている電動化戦略についても迫ってみようと思う。

文/吉川賢一
写真/TOYOTA

【画像ギャラリー】「アイゴX」プロローグとトヨタのゼロエミ戦略とは?


■筋肉質な雰囲気漂う、スタイリッシュなマイクロSUV

 トヨタの欧州向けAセグメントカーである『アイゴ(AYGO)』。現行モデルは2014年に登場した2代目だ。現行アイゴは、コンパクトハッチのスタイリングだが、今回公開された「アイゴXプロローグ」は、ヤリスと同じGA-Bプラットフォームを使ったSUVとなる。このデザインを手がけたのは、ED2(Toyota Europe Design Development S.A.R.L)という、トヨタのヨーロッパデザインセンターのデザイナー、とのこと。

2014年に登場した欧州向けAセグコンパクトカー『アイゴ(2代目)』。ボディサイズは全長3465×全幅1615×全高1460mm。エンジンは排気量1L 3気筒NA(72ps/93Nm)を搭載。トヨタ、プジョー、シトロエンの協業によって誕生した
2014年に登場した欧州向けAセグコンパクトカー『アイゴ(2代目)』。ボディサイズは全長3465×全幅1615×全高1460mm。エンジンは排気量1L 3気筒NA(72ps/93Nm)を搭載。トヨタ、プジョー、シトロエンの協業によって誕生した

 小さなキャビンエリアに対し、不釣り合いなほどの大径タイヤホイールを装着している、アイゴXプロローグ。盛り上げたフェンダー部分をブラックアウトしていることで、筋肉質な雰囲気も漂うスタイリッシュなデザインだ。コンセプトモデルなので、もちろん誇張は入ってはいるであろうが、全幅1700mm(2代目アイゴは1615mm)は優に越えているようにも見える。

 一応、2列目シートはあるようだが、後席ドアは極端に小さく、デザイン優先としたようだ。ドアハンドルは埋め込まれているタイプとなっている。

これまでのアイゴからの大胆な飛躍をイメージさせるSUVフォルムの『アイゴX』。前席重視のパーソナル感を強調したコンセプトのようだ。フロントを横断する発光部はデイライトなのか?
これまでのアイゴからの大胆な飛躍をイメージさせるSUVフォルムの『アイゴX』。前席重視のパーソナル感を強調したコンセプトのようだ。フロントを横断する発光部はデイライトなのか?

 第2の特徴が、一筆書きで描かれたようなヘッドライトだ。ヤリスやヤリスクロスなど、既存のトヨタ車とは異なるテイストのフロントフェイスで、なかなかカッコいい。フロントグリルがあるため、ピュアEVモデルのみではないようだ。テールランプも、左右を連結したタイプで、Cピラー上端から始まったラインはバックドアの下を通り、反対側のテールランプまで繋げている。バックドアはガラスハッチになっているようにみえる。

フロントグリルやフォグランプ、テールランプなど、デザインのアクセントとして多角形のモチーフが多用されている
フロントグリルやフォグランプ、テールランプなど、デザインのアクセントとして多角形のモチーフが多用されている

 さらには、2トーンのボディカラーや、左右のドアミラーの前方についたアクションカメラで撮影できたり(カメラを駆使して3D的な映像を創り出せるかもしれない)、リヤバンパー下のスキッドプレートに自転車をひっかけるホルダーマウントが収納されていたりと、アクティブな要素も、随所に織り込まれている。

 (日本市場向けのライズを除いて、世界市場では)ヤリスクロスが、コンパクトSUVのエントリーモデルだ、と考えていたが、その下に、さらにコンパクトな、「マイクロSUV」をもってくるとは、トヨタのSUV戦略には驚かされるばかりだ。

リアスタイルもアイゴの実用性+αな存在感を放つ。バックドアはリアガラスと一体化、リアランプがその周りを取り囲んでいるようだ。一体感を強調したデザインになっている
リアスタイルもアイゴの実用性+αな存在感を放つ。バックドアはリアガラスと一体化、リアランプがその周りを取り囲んでいるようだ。一体感を強調したデザインになっている

次ページは : ■ここから始まる、トヨタの電動化戦略

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