■自動車メーカーというよりパソコンメーカー寄りの企業姿勢
なぜ信用されないのかといえば、これまた簡単。テスラ、ナゾだらけです。そもそも販売台数を聞くと「公表してません」。搭載している電池の容量を聞いても「公表していません」。
私が「こりゃダメだ」と思ったのは、事故についてメディアから聞かれ「当局の捜査に協力している」しか言わないこと。命を預ける気にならないです。
火災だって同じ。テスラ、世界規模で少なからぬ台数が発火している。
2019年3月に香港で自然発火の後、3回ほど爆発。翌月上海で駐車中に爆発的な炎上を起こしている(いずれもモデルS)。「セルの不具合」とテスラは言うが、詳細不明。一連の炎上事故を受けテスラが出したコメントも「ガソリン車より燃えない」。
さらに問題だと思うのはトラブル出た時の対応である。
テスラ、ディーラーというモノが存在しない。というのもネットで契約し、納車は近所の「テスラストア」か「サービスセンター」「自宅配送」(配送料金は全額客側の支払い)の3通り。いずれも携帯電話のショップみたいなコンセプトだし、そもそも非常に数が少ない。
トラブルが起きたり、わらない事象に遭遇したらコールセンターに電話するのだけれど、PC業界の常識なんだろう。つながるのに時間がかかる。さらにやっと出たと思ったら、日本語が怪しい。もちろんその場で答えてくれないケース多し!
500万円の自動車を買ったお客に対する姿勢とは思えないです。私なら辛抱できません。
■テスラでなければ起きなかった事故
東名高速でテスラがオートパイロットを使い走行中、事故を起こして停止していたバイクを判定できずノーブレーキで突っ込み、死者を出した事故では「運転者の責任だ」の一点張り。
確かに自動運転レベル2だと100%運転者に責任ある。ただハンドルもブレーキもアクセルも操作しないで走れたら、居眠りする可能性出てきます。
だからこそ日本の自動車メーカーもドイツの自動車メーカーも15秒しかハンズフリーができない。連続してハンズフリー走行できるモデルについては、運転者の目線を追いかける車内カメラを追加。
居眠りなど前方を見ていなければ警告を出して自動停車させる安全策を採用している。ドライバーのミスをカバーすること=安全技術だ。
テスラの安全性に対する意識の低さは、ドライバーにとって脅威である以上に、周囲に危害を与える。
実際、東名道で亡くなったライダーは、テスラじゃなければ今も元気だったろう。といったことを考えたなら、今のままの安全に対する姿勢だと社会的な加害性を持っているテスラの購入を推奨する気になれない。積極的に危ないと思う。
■すでに海外では日本車は負けているが、国内では脅威にはならない
ということで本題である「テスラはいつか日本車の脅威になるのか?」だけれど、もはや海外では日本車の脅威になっている。
リーフと同じクラスに属すモデル3の世界販売台数は44万台(兄弟車含む)。リーフの世界販売台数が5万台余のため、10倍近く売れているのだった。「勝負にならないほど負けている」と言っていい。
国内はどうか? 前述のとおりテスラが販売台数を発表していないため比較できない。ただテスラの思惑どおりに売れているかとなれば「いいえ」だ。
現在日本で販売しているモデル3は上海工場製になっている。電池容量が少ないタイプは、中国のCATL社から調達しているリン酸鉄電池。電池容量が多いタイプが発火事故を多数出している韓国のLGケム製。
上海工場製に切り換えた途端、82万円の値下げを行い前述のとおりリーフe+より安くなっている。大幅値下げで売れゆき急上昇かと思いきや納期1カ月と短い。「すべて秘密」を通そうとする企業姿勢のままだと、日本では厳しいだろう。
そうこうしているウチ、トヨタから魅力的かつ安心して乗れる電気自動車が出てくる。
現時点でのテスラは1970年前後のアメ車に似てます。いろんな弱点を持ちながらも圧倒的なパワーと先進性で日本勢を凌駕していた。アメ車のファン、当時たくさんいた。
けれど日本勢が追いつけば、根っ子はアメ車。品質問題など大きな課題になってくるだろう。少なくとも日本市場でテスラが日本車の脅威になることはないと予想しておく。
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