S660惜別の影で30年以上愛されるロードスターの奇跡と秘訣

■ロードスターはなぜ長年存続できるのか?

初代の登場は1989年。実に30年以上にわたって愛され続けている
初代の登場は1989年。実に30年以上にわたって愛され続けている

 最終的な結論は「一定数売れているから」となるのだが、一定数売れている理由などを考えてみると

●コンセプトの分かりやすさ、不変で普遍的な楽しさがある

 スポーツカーのような趣味性の高いクルマは法規に代表されるその時代に求められる要素さえクリアしていれば、コンセプトが必ずしも新しい必要もない。

 ということを考えると、ロードスターが初代モデルから一貫している「庶民が買える価格(NR-Aを除くNDロードスターはちょっと高い気もするが)で2人までなら実用的にも使える、乗って楽しいコンパクトオープン2シーター」というコンセプトが、ライバル車がないのもあり一定数の人に受け入れられるのもよく分かる。

●いろんな楽しみ方ができる

 ロードスターはレースを含めた「走る」というオーソドックスな楽しみ方にはじまり(特に初代と2代目ならタイヤも小さく、クルマもシンプルなので特に安上がりだ)、手を加える、オーナー同士の人付き合いを楽しむ、オープンカーということもあり服装にも気を使うなど、いろいろな楽しみ方ができる点も大きな魅力だ。

●存続するための努力も続けられている

 当然ながら自動車メーカーは営利企業だけに赤字になるようなモデルを続けることはできず、ロードスターも特に2005年登場の3代目モデル以降は初代と2代目モデルほどは売れなくなっている。

 ロードスターはその状況下で生産台数や収益の確保のため、3代目モデルではRX-8の共用化、NDでは終了してしまったがフィアット&アバルト124スパイダーとの協業に加え、歴代特別仕様をチョコチョコと設定していることもロードスター拡販の後押しとなっている。

 ということをマツダは歯を食いしばりながら行いロードスターを存続しているから、ロードスターはスバルのステーションワゴン、ランドクルーザーやジムニーといった本格クロカンSUVのようにロードスターというブランドになっているという、書くのは簡単だけどやるのはとてつもなく大変なことをしているという話である。

■まとめ

ユーザーの愛情とマツダの企業努力でロードスターは存続している。これからもマツダには頑張ってほしいところだ
ユーザーの愛情とマツダの企業努力でロードスターは存続している。これからもマツダには頑張ってほしいところだ

 2050年のカーボンニュートラルに向けた電動化やCAFE(企業別平均燃費基準)など、2025年あたりの登場と思われる次期ロードスター(NE型?)の開発は非常に難しいと思われるが、何とかロードスターの歴史が途切れないようマツダには頑張ってほしいところだ。

 それだけに短期間ながら2代目ロードスターオーナーだった時期があり、現在トヨタ86に乗っている筆者は次期86&BRZも気にはなっているが、登場時から頭から離れないNDロードスターNR-Aを何らかの形で一度自分のものにすることを毎日のように考えている日々となっている。

【画像ギャラリー】マツダ ロードスターとレース用ベースモデルNR-Aを見る

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