特効薬となるか!? 高齢者免許更新の新制度は事故対策に効果あり?

特効薬となるか!? 高齢者免許更新の新制度は事故対策に効果あり?

 高齢運転者による交通事故防止対策として導入される免許更新試験の方針が3月に固まった。これまで75歳以上は免許の更新時に実車指導を受けるだけだったが、違反歴がある場合は実車による技能試験が課せられ、この新制度は2022年6月までに導入することが決まっている。

 高齢化社会が進むなかで、今日本が直面している大きな問題のひとつが高齢者による交通事故。そのため、高齢者の運転免許更新はいままでも講習は行われてきたわけだが、今回の新制度とは具体的にはどのような内容なのか?

 そして、高齢ドライバーの事故対策の特効薬となるのか? モータージャーナリストの岩貞るみこ氏に解説してもらった。

文/岩貞るみこ
写真/AdobeStock(トビラ写真=BlueBeans@AdobeStock)

【画像ギャラリー】免許を「取り上げる」ことがないように……高齢者免許更新の新制度を考える


■高齢者免許更新の新制度は池袋での死傷事故が関係している!

これまでの現行制度でも75歳以上は認知機能検査を受けたうえで、必要な場合は実車指導を受けるという形だった(Monet@AdobeStock)
これまでの現行制度でも75歳以上は認知機能検査を受けたうえで、必要な場合は実車指導を受けるという形だった(Monet@AdobeStock)

 高齢運転者の交通事故対策は、世界で一番早く超高齢化社会を迎える日本の喫緊の課題だが、この度、改正道路交通法の内容が固まった。

 現行制度では70~74歳は、高齢者講習(講義・運転適性検査・実車指導)を受けることになっている。また、75歳以上は認知機能検査を受けたうえで、

1)認知機能低下のおそれがない人は、70~74歳と同じ講習
2)認知機能の低下のおそれがある人は、高度化講習(個別指導が追加)
3)認知症のおそれありの人は、医師の診断を受けたうえで、大丈夫なら高度化講習を受ける

 と、分けられていた。実車指導は指導を受けるだけなので、ひらたく言えば全員が免許証の更新ができるのだ。

 今回、75歳以上の人に対して、認知機能検査を受ける前に運転技能検査が新設された。指導ではなく検査なので、合格しなければ認知機能検査に進めない。つまり、今までより現状にあった仕組みになったというわけだ。

 新設された理由のひとつには、池袋で起きた自動車暴走死傷事故が大きく関係している。加害者は認知機能こそ問題がなかったものの杖をつかなければ歩けないほど脚部に問題があり、正常に運転できる状態だったかどうか世間から疑問視されたからだ。

 警察庁はこれまで認知症に特化した対策をしてきたが、修正が必要となったのである。

次ページは : ■ふるい落とすのではなく自分の運転技術を認識してもらう

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