■マツダ ランティス/5ドアクーペのほうがダサカッコいい濃度が高い
1993年~1997年に販売されたマツダ ランディスも「ダサカッコいい」クルマといえる。ランティスには4ドアセダンと5ドアクーペの2つのボディタイプが用意されていたが、ダサカッコいい濃度が高いのは圧倒的に5ドアクーペのほうだ。
ほかのどのクルマにも似ていない個性的な外観デザインは無国籍感が漂う。それほど当時の国産車のデザインとしては飛び抜けていたのだ。
しかし現在ではそれほど変わったデザインに見えない。これがランティス5ドアクーペの「ダサカッコいい」ポイントだ。まさに個性的なデザインが時代を超えてしまったのだ。
ランティスに搭載されていたエンジンは1.8L、直4と2L、V6エンジンの2種類。当時は小排気量のV6エンジンが流行していて、三菱は当時世界最小と言われた1.6L、V6エンジンを搭載したランサーとミラージュを発売していた。
すでにランティスの4ドアセダンは絶滅していて、5ドアクーペがわずかに3台流通している程度でこちらも絶滅危惧種だ。
価格帯は約39万~約119万円でグレードはすべてV6エンジンを搭載したタイプR。100万円台の中古車はレアな5MT車で、4AT車はいずれも50万円以下で購入可能となっている。
■ユーノス プレッソ/なんともいえない流麗なクーペがダサカッコいい!
同じくマツダからは1991年~1998年まで販売されたユーノスプレッソも「ダサカッコいい」クルマとして推したい。兄弟車としてオートザムAZ-3が設定されたが、こちらはすでに中古車市場では流通していない。
ユーノスプレッソは流麗な3ドアハッチバックで、3次曲面のリアウィンドウを採用したクーペスタイルが特徴。
搭載されたエンジンは当初1.8L、V6エンジンのみだったが、1993年に兄弟車のAZ-3に搭載されていた1.5L、直4エンジンが追加されている。
現在わずかに3台の中古車が流通しているが、平均価格は約81.5万円と高い。直近3カ月はほぼ横這いで推移しているので、高値安定傾向が続いている。
ユーノスプレッソの中古車の価格帯は約65万~約98万円で、走行距離2万km、最上級グレードの1.8Fi-Xサンルーフ付きのフルノーマルという奇跡の中古車は応談となっている。この中古車を取り扱っている販売店は広島県にあるので、マツダ愛を感じる。
はっきり言って超マイナーなモデルのユーノスプレッソだが、そのレアさが中古車相場を高値安定させていると考えられる。
■トヨタ サイノス/ダサカッコいい度抜群のターセル&コルサの2ドアクーペ版
ラストを飾るのが、1991年に初代モデルが発売されたトヨタサイノスだ。ターセル&コルサセダンをベースとした2ドアクーペで、北米ではセクレタリーカーとして人気を博した。
しかもTV-CFの音楽には当時人気絶頂だったglobeのJoy to the loveが使用された。残念ながら、初代そして1995年に登場した2代目サイノスは、中古車市場ではすでに絶滅してしまっており、ここでは1996年に追加されたサイノスコンバーチブルを「ダサカッコイイ」クルマとしてピックアップした。
コンバーチブルは補強を加えたクーペボディをアメリカのASC社に送り、ルーフやピラーをカットし、ソフトトップに架装してもらうという非常に手間が掛かったモデルだった。
搭載するエンジンは1.3Lと1.5Lの直4で、トランスミッションは1.3L車が4MT/3AT、1.5L車は4ATのみだった。
現在サイノスコンバーチブルの中古車は6台流通していて、平均価格は約67.5万円。直近3カ月はほとんど値動きがない状態が続いており、流通台数も横這いが続いている。
中古車の価格帯は約35万~約110万円で、最高値の中古車はMT車で、そのほかはすべて1.3LのAT車。1.5L車は全く流通していない。ただし、限定150台のボディカラーがイエローの中古車が2台残っているのは奇跡といえる。
先日、86/BRZのニューモデルが公開されて話題となっているが、昭和から平成にかけてはクーペやオープンカーはかなり存在していたのだ。
トヨタサイノスや日産NXクーペのような、廉価でオシャレなスペシャルティカー、セクレタリーカーが誕生している。
しかもクーペといっても、今見るとなんとも微妙な、決してカッコいいクルマばかりではなかった。
だからこそ「ダサカッコいい」クルマに推すことができるのだ。しかし、よくこれらのクルマは令和になっても生き延びていることが不思議でもある。
コメント
コメントの使い方