■ブランドイメージ変化のしわ寄せはステップワゴンにも?
このようにN-BOXの好調な売れ行きは、ホンダにさまざまな弊害をもたらした。特に歯痒いのは、ブランドイメージの低価格化により、商品力の優れた車種まで売れ行きを下げたことだ。
その筆頭がステップワゴンになる。低床設計で乗降性や走行安定性が優れ、3列目のシートは床下格納だから大容量の使いやすい荷室にアレンジできる。リアゲートには横開きのサブドアを装着して、狭い場所での開閉を可能にした。なおかつ乗員もボディの後部から乗り降りできる。
オデッセイも低床設計で走行安定性が優れ、3列目シートも床と座面の間隔を充分に確保した。そのために3列目の快適性は、足を前方へ投げ出すアルファード&ヴェルファイアを上まわる。オデッセイの多人数乗車の機能は、ミニバンの中でもグランエースに次いで特に優れている。
ステップワゴンとオデッセイには、かつてのVTECエンジンに匹敵する創意工夫が盛り込まれたが、宣伝するのも諦めているから売れ行きは低調だ。優れたe:HEV(ハイブリッド)も埋もれている。
直近のホンダが国内で行うべきは、新型ヴェゼルを入念な販売促進もおこなって売れ行きを伸ばすことだ。2013年に登場したオデッセイ、2015年のステップワゴンも、時間を置かずにフルモデルチェンジさせたい。
手堅く販売できる車種からテコ入れを図り、N-BOXを始めとする軽自動車の販売比率を35%以下に抑え、ホンダ全体の商品力を高めて欲しい。このままなりゆきに任せると、国内のホンダは、販売網も含めて取り返しのつかない状態に陥る。
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