■そのほかにもある! 日本でも発売して欲しいルノー車
●クウィッド
クウィッドはインド、ブラジル、インドネシアといった新興国に向けた、コンパクトカーのなかでも小さい欧州流に表現するとAセグメントに属するクロスオーバー。日本車ではインドなどで販売されるスズキのエスプレッソに近い存在だ。
クルマの成り立ちは日産ルノーアライアンスのCMF-Aプラットフォーム、つまり日産デイズや三菱eKの現行型軽自動車が使っているものを全長3731mm×全幅1579mm×全高1490mm、ホイールベース2422mmに拡大。
エンジンも日産と三菱の軽自動車が使う3気筒の排気量違い(0.8Lと1.0L)を搭載しており、このクウィッドもまた日産ルノーアライアンスが持つ基本コンポーネンツの拡張性の広さを感じさせる。
クウィッドはインドで31万2800ルピー(約47万2000円)からという低価格車ながら、雰囲気の明るい内外装がなかなか魅力的だ。
●ZOE(ゾエ)
ZOEは2019年登場の現行型で2代目モデルとなる電気自動車のコンパクトカーで、ルーテシアを電気自動車にしたイメージを持つ。
電気自動車で気になるバッテリー容量は52kWhで、モーターは108馬力仕様(航続距離395km)と135馬力仕様(航続距離386km)の2つがあり、バッテリー搭載量と航続距離のバランスも良好だ。
フランスでの価格は3万2500ユーロ(約420万円)からとなっており、日本にもプジョーe-208と同等の価格で導入されれば面白い存在となりそうだ。
●グランセニック
ルノーは初代メガーヌのバリエーションだったセニックで、2BOXカーで最大限広いキャビンを確保したスペースワゴンというジャンルを開拓したメーカーである。
2代目モデルまで日本にも導入されたセニックだが、2代目モデル以降はメガーヌシリーズから独立したモデルとなり、2列シートワゴンのセニックのほかに、7人乗り3列シートとなるグランセニックも加わっている。
つまりセニックとグランセニックの関係は、順番はセニックの方が先だが、BMW2シリーズのアクティブツアラーとグランツアラーと同様のものである。
2016年に登場した現行型の4代目グランセニックは、セニックに対しホイールベースも含め全長がストレッチされており、2列シートが広くなっている点も特徴だ。グランセニックは日本に導入されると、2列目シートまでの居住性とラゲッジスペースの広さを優先したミニバンとして意外な人気を集めるかもしれない。
●エスパス
1984年に登場したエスパスの初代モデルは欧州車のミニバンのパイオニアとなるモデルで、2代目モデルでは当時ルノーがF1のウィリアムズチームに供給していたV10をミッドに搭載し、2列目シートも持つという遊び心に溢れたコンセプトカーがあったことも話題になった。
2015年登場の現行型5代目モデルはホンダオデッセイの全幅を広げたイメージの3列シートを持つ7人乗りのミニバンで、グランセニックを拡大した大型スペースワゴン的な存在だ。
エスパスは4代目モデルまでのオデッセイのようにスライドドアでなくヒンジドアを使っている点など、「ミニバンとしても使えるけどフォーマルな雰囲気を持つ」というキャラクターを備えている。今の日本ならマツダCX-8などの3列目シートSUVと迷える存在となるかもしれない。
●トラフィック
トラフィックはラージ商用バンのマスターの乗用車版で、日本車で例えるならグランエースのような存在だ。トラフィックもグランエース同様にいい意味でのミニバス的な魅力を備えている。
トラフィックは欧州では日産にNV300として供給されているだけに「日産でNV300を売ればいい」とも感じるが、非常にマニアックなモデルなだけに日本ではマニアックなユーザーが多いルノーブランドのほうで売るという手もありそうだ。
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